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そこからは紅茶を入れた後、部屋に置いてあったウェルカムフルーツをいくつか切り分け、バスタブに湯を張り、



それはもうちゃきちゃき――――とはいえ優雅に動き、私は1歩も椅子から動かずにフルーツとお菓子、紅茶を楽しんだ。



「あの、クロロさ――――んむ、」



なんだかこう、権威のある人を働かせるのは後ろめたい気持ちになり立ち上がると、きらめく宝石のような高級マスカットを口の中に放り込まれる。



立ったまま食べるのはお行儀が悪いと私が座ると、何故か満足そうなクロロさんはまた準備に取り掛かった。



切り分けられたフルーツが無くなる頃、私の好きな香りがふわりと漂い何かとキョロキョロする私にクロロさんはフッと笑いかけた。



「さあ、レディ。入浴の準備が出来ましたよ。」



ふわふわと湯気が立ちこめる中手を引かれてバスルームに行くと、先程のバスボムが浴槽に入れられシュワシュワと音を立てながらお湯に溶けだしていた。



「すごい、キラキラしたのが……わ、これは……お花?可愛い色……クロロさんっ凄いです……!」



お湯が薄い空色に染まり、様々な色のラメがお湯の中に宇宙の輝きを見せた。薄桃色のドライフラワーがお湯に溶けだし、バスボムのお花のような香りがより感じられた。



浴槽に手をつけ、ピチャッ、と、ちょっととろみのある液体を弄ぶ。



「これ、入っていいんですか?」



"実は観賞用です"と言われても驚かないぞ、とちょっと考えた私は、クロロさんに向き直った。



「勿論、そのために入れたんだから。さぁ、楽しもう。」


そういったクロロさんは私の腕を浴槽からあげ、ふわふわのタオルで私の手を包むように拭いた。





.

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伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて一気見しました。他サイトがどこかすごく気になります...! (1月15日 15時) (レス) @page43 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
クルミ(プロフ) - るぜさん» え?uリア紀さんとか知らないですね🤔ありがとうございます!続きも見てくださると嬉しいです! (1月10日 23時) (レス) id: e0e69a6993 (このIDを非表示/違反報告)
クルミ(プロフ) - huji山さん» えっと、割と有名なとこで検索してみてください……タイトルほぼそのままなので……続き書きますぅ……(いくつか描きたいシーンがあるのでそのうちお会いしましょう!) (1月10日 23時) (レス) id: e0e69a6993 (このIDを非表示/違反報告)
るぜ(プロフ) - 他サイト最新話まで見させていただいています!多分あのカンb…なんでもありません。きっと貴方様だと思います続き待っています! (11月26日 23時) (レス) @page43 id: 59892969ae (このIDを非表示/違反報告)
huji山(プロフ) - 他サイトがめちゃくちゃ知りたいです!( ; ; )マジで続きが楽しみです!深くは追求したり、不躾なことは致しませんのでご安心を。これからもがんばってねください! (10月18日 23時) (レス) @page43 id: 704ce5ae45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クルミ | 作成日時:2021年5月16日 23時

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