【Ｈ×Ｈ】続、転生したらゾル家に生まれた件について。

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涙でグシャグシャになった私の顔(それでも美少女という事だけはゆずれない)をイルミさんは優しく、ガラス細工でも扱うかのように両手で包み込んだ。



「オレが守ってあげるからそんな事しなくていいんだよ。」



もはや狂気しか感じない言葉に涙をすすりつつも頷く。…と、その隙にイルミさんは私の耳元に唇を寄せた。



「オレの事、もっと頼って…A」



表情の乏しい能面のような顔で、少し擦れ気味の低い声で、私の名前を呼んだ兄。



「イル兄、どうしたの…？」



「……」



私が呼びかけても返事がない。美少女(わたし)の声が聞こえないなんて…これって結構重症じゃん、多分。



でも前世では有り得ないほど兄達との接触はなく(月に一度父親主催の晩餐会で顔を合わせるくらいだった)、現世ではこのゾルディック(カゾク)でしか兄妹というものを知らない私。



普通の兄妹の距離感を知らない私には何とも言いようがないのだ。頭でっかちってこういう事かとしみじみ考えた。



全く関係ないけど、イルミさんって睫毛ながい！羨ましい…





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