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...遠い...！
家が広いからやけに遠く感じる
記憶にない躯倶留隊の人やら女の人やらの視線が痛い
俺が、俺が何をしたっていうんや...
「なおやぁ...」
アカン、寂しくなってきた
「あ、Aくんだ、一人なの珍しいな」
「ほんとだ、直哉いねぇの、ラッキー」
見覚えのない男の人が数人歩いてくる
...誰やっけ...
「可愛いなぁ、Aくん、Aくんが弟なら良かったのにな」
「な、なんで俺の弟はあんなに可愛くないんだろう」
...あ、コレ直哉のお兄さん方や
わしゃわしゃと俺の頭を撫でてくる名前が出てこんお兄さん方
俺が強く出れず「わ、ちょ、」と固まっていると
「何しとんのや兄さんら」
と今一番聞きたかった声
「うわ、来たわ」
ケッ、と言って去っていくお兄さん方
またな〜と振る手に俺も手を振り返す
その手をギュッと捕まれ直哉に軽く睨まれる
「どこ行っとったんA」
「直哉ん部屋行こうと...」
「逆や！」
俺はどこかで道を間違えたらしい
平気やった？兄さんらになんもされとらん？とボサボサになった俺の髪を直しながら聞いてくる直哉
「なんもされとらんよ、髪わしゃわしゃされただけやで」
「それをされたっていうんや！」
せっかく整えた髪をまた乱される
「アカンよ！兄さんらなんかにAは渡さんから！」
「分かった！分かったからやめぇや」
前髪を戻しながらむくれる直哉を宥める
直哉はお兄さんらがあんま好きやない言うてたからムキになっとるんかな
「A、迷子になるんやったら俺から離れたらアカンよ」
俺の手を引きながら直哉が拗ねたように言う
「今日はずっと一緒におんで」
「堪忍な、この家広いんよ」
「俺ん事呼んだらすぐ行くから」
「うん」
「今日は一緒に夜まで遊んで、一緒に飯食べるんよ」
「うん」
「で、一緒に風呂入って、一緒に寝るんやから」
「うん？」
「離れたらアカンで！」
「わ、分かったわ」
素直な返事に満足したのか俺の手をぎゅーっと握る
今日は離してもらえそうにないなぁ...
ーーーーー
「一生離れたらアカンよ！」
「分かっ...え？」
続く
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作者名：ユウ | 作成日時：2023年6月4日 13時
