俺たちの“守るべきもの”【番外編2-2】 (ページ22)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:1,689 hit

番外編2-72 ページ22

そして夏祭りに来た俺と兄貴

遊橙｢あー…群れてる…｣

夏叶｢しょ、しょうがないよ、祭りなんだから｣

遊橙｢夏叶、その浴衣…｣

夏叶｢あ、これ？
渚くんから借りたんだ
そう言う兄貴は？｣

遊橙｢赤髪のヤツ…
俺が浴衣なんざ着ないって言ったら

“メイド服と浴衣どっちがいい？”

って言いやがって…｣

夏叶｢…あははは…^^;
でも似合ってるよ｣

遊橙｢浴衣なんざ着たのいつぶりだろうな｣

夏叶｢まぁ、ヴァリアーじゃ
任務ばっかりだし祭りなんて
ほとんど縁がないんじゃない？｣

遊橙｢まぁ、そうだな
…ってあいつは何してんだ？｣

兄貴の目線を追ってみるとそこには…

「ねー、おじさん
俺今5千円使って、全部5等以下じゃん？
糸と商品の残り数から
4等以上が1回も出ない確率を計算すると…」

ごめん、赤羽くん

一瞬悪魔に見えたよ…^^;

業「なんと0.05% ホントに当たり糸あるのかな～
おまわりさん呼んで来て確かめてもらおっか」

店主「わかったよ
金返すから、黙ってろ、坊主、な？」

業「いやいや、返金のために5千円も
投資したんじゃないのよ、ゲーム機欲しいな～」

渚「…カルマくんはねちっこいな～」

岡島「…最初から大当たりは
入ってないって見抜いてたな」

夏叶｢祭りに来てまでなにしてんの…^^;｣

遊橙｢脅し方がぬるいな｣

渚･夏叶｢そこなの！？｣

兄貴なら刃物取り出して脅し始めそう…^^;

赤羽くんと違って頭脳派じゃないからなぁ

2人して先が思いやられるよ

それ以前に絶対にあの2人をくっつけたら駄目だ

夏叶｢なんか、先生
店閉じたところにまた店立ち上げてない？｣

遊橙｢疲れねぇんなら大丈夫だろ｣

夏叶｢いや、普通疲れるから！｣

遊橙｢普通、はな？｣

夏叶｢てか、国家機密の獲物が
店出して大丈夫なの？｣

遊橙｢…さぁな…
あ…速水と千葉が出禁くらいやがった…汗
どんだけ取ってんだよアイツら…｣

夏叶｢クラスで射的上手いのはあの2人だからね｣

遊橙｢やりすぎにも程があんだろ…汗｣

夏叶｢そうだね…
…ねぇ、兄貴…｣

その先の言葉は夜空に

咲いた花火の音でかき消された

遊橙｢綺麗だな…｣

夏叶｢うん…！｣

遊橙｢群れるのは嫌いだけど
花火見るのは嫌いじゃない｣

夏叶｢兄貴らしいや｣

…

…

…

“…ねぇ、兄貴…
来年も来れたらいいね…”