番外編2-67 ページ17
寺坂「2人してビビって引き返してくンなよ」
業「寺坂こそ
ビビってちびらないように気をつけなよ」
寺坂「誰がちびるか！」
遊橙｢相変わらずだなアイツら｣
夏叶｢そ、そうだね…^^;｣
みんなが順番に入っていく中
変わらず兄貴のテンションは低いまんまだ
…大丈夫かな…
そして俺らの番になって中に入っていく
手には懐中電灯
兄貴も無言でそれにつられて俺も無言になる
どのくらいたったのかな
俺と兄貴は無言のまま歩いてきた
俺から話しかけた方がいいのかな…
とか思っていた矢先
遊橙｢…なぁ、夏叶｣
兄貴が口を開いた
夏叶｢どうしたの？｣
遊橙｢…実はあの後な…俺流されたろ｣
夏叶｢…ぁ…うん、そう、みたいだね…｣
遊橙｢どこまで流されたかは覚えてないが
低体温症になって倒れてた俺を
グリップが…
通称おじさんぬ、が助けてくれたんだ｣
夏叶｢えﾞ、あの人が？｣
遊橙｢あの人
依頼が来ないと人は殺さないからな｣
ん？あれ？そんなような事どっかで…
“俺は私怨で人を殺した事は無いぬ”
夏叶｢あー…！
たしかにそんなような事言ってたね｣
遊橙｢俺の傷が治るまでずっと
面倒見てくれてたんだ
俺は“もう大丈夫だから”
とは言ってたんだがな
“それはならぬ、無理したら意味が無いぬ”
とか言って帰してくれなくてよ｣
夏叶｢あはは…意外と心配性なんだ｣
遊橙｢けどなある時グリップのところに
…依頼が来たんだ
“殺してほしい奴らがいる”ってな｣
夏叶｢それって…｣
遊橙｢あぁ、あの件に繋がってる
グリップについていって
俺はあのクソ親父と会った
俺の中にあった殺意が抑えられなくて
ベルのナイフを使って殺そうとした
…けど…その時に言われたんだ
“捨てられたのか”ってさ｣
夏叶｢！？｣
遊橙｢捨てられたわけじゃない
俺の意思でここに来た
俺の意思でした行動だ
って言ってもあいつの言動は
酷くなる一方だった
そして終いには…こう言われたんだ
“大事なクラスのヤツらを
殺されたくなかったら従え”
ってな｣
夏叶｢だから兄貴は…｣
遊橙｢お前らと連絡とることも
帰ることも許されなかった
だからあのドリンクの時だって
暗殺の時だって…俺は影から見守ってた｣
夏叶｢兄貴…｣
遊橙｢後は夏叶の見た通りだ
もし俺がほんとに捨てられたんだとしたら
コイツらは生きてねぇよ｣
夏叶｢それってどう言う…｣
遊橙｢ん、ほら出口だぜ｣
夏叶｢え？あ、ほんとだ｣
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作者名：龍央 | 作成日時：2017年5月24日 1時
