episode87 ページ10
sideA
A「ふっ……ぅ……。」
私は自室のベッドの上で泣いていた
どうやってここまで来たのか覚えていない
気がついたらここにいた
鎧も脱ぎ捨てられているが、やはり記憶がない
状況を整理しようにも中々落ち着かなくて出来ない
私は、側にあった
少しだけほんの少しだけ落ち着いた気がする
ーー
ー
さて…
これからどうすればいいだろう
会場になんて戻れるわけないし、今日をしのいだとして明日はどうする？
いっそのことこの間一体みたいに、城を辞めるか？
置き手紙をして、荷物持って逃げるとか！
いやでも、流石にな〜
コンコン
扉のノック音！
一体誰だ？
アーサー様だったら絶対に出ない
ほかの人なら考える
エリザベス「Aちゃん？います？」
A「！エリザベスちゃん…！
うん、いるよ。今開ける。」
ガチャ
エリザベス「((ﾎｯ 良かった。探したのですよ。」
A「ごめん…。よくここって分かったね。」
エリザベス「王女の直感です！」
A「ふふっ…なぁにそれw
…どうぞ入って。」
エリザベス「そのつもりです！」
私とエリザベスは席についた
エリザベスが追いかけて来たというのは想定外だったな
エリザベス「Aちゃん走りが早くて途中で見失ってしまって焦りました。」
A「逃げ足は速いからね(笑)」
エリザベス「鍛えているからでしょう？」
それから少し重たい雰囲気…でも真剣な雰囲気に変わったのが感じ取られた
エリザベス「Aちゃんどうするんですか？」
A「ん〜逃げる…？」
エリザベス「逃げるって！何でですか！」
A「…私なんかがこの国の王妃になれる訳ないし。」
エリザベス「王妃になるとかならないとかそんなこと関係ないです！
Aちゃんの気持ちはいいんですか？！」
A「気持ちを伝えろって？
無理だよ…私あの場から逃げたんだよ!?今更戻れるわけない！」
エリザベス「後悔していいんですか？
いえ、後悔しますよ？絶対に。
…せめて、自分の思っていることをお伝えしましょう？」
たっぷり120数えるまで考えた末、私はこう決断した
A「エリザベス付いてきてくれる？」
エリザベス「勿論です！側にいますよ！Aちゃんを監視するために！」
A「ぷ…ふふw
ほんとに勇ましくなったね。」
エリザベス「そうですか？」
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