episode80 ページ3
ふと足を止めたのは、西の中庭であった
ここは以前、アーサー様と最初で最後のダンスをした場所
よりによってここに来てしまうとは…
ふわりと香る花は以前と違う匂いだが、私は心を癒されていた
ここで花の匂いまで同じたら余計にいろいろ考えていただろうな
季節外れのパンジーが咲いている
花言葉は【私を想ってください】だったな
今の私に案外合ってるかも…
しばらくその花を見つめ立ち去ろうとした時、何やら会話が聞こえてきた
暇だし盗み聞きしてやろう←
ジェリコ「案外楽しみにしてたのに結局外の警備かよ！」
ギーラ「そう文句言わないの。向こうの聖騎士長が決めたんだから。」
ジェリコ「けっ！聖騎士長ってもまだ俺とそう歳も変わらねぇじゃねぇーか！それに俺より弱そうだし！」
あれはリオネスのギーラとジェリコだっけ？
親切にごもっともな意見をどーも
まあ、あのくらいで怒るような女じゃないよ
あ、今は男か
てか、ここで私が出たらどうなるかな(笑)
ジェリコ「大体さ〜」
ギーラ「あら？ジェリコ後ろ…。」
ジェリコ「ん？後ろがなんだよ…ってうわぁあぁあ！！？」
A(ランスロット)「突然叫ぶなんて酷いではないか。俺は化け物ではないぞ。」
ジェリコ「いきなり脅かすんじゃねぇ！」
A(ランスロット)「そっちが驚いたんじゃないか。」
ギーラ「あの、今の話聞いておられたのですか？」
バッチリ聞いてたけど、ここはスルーしておこう
面白い反応見れたし(笑)←
A(ランスロット)「なんのことだ？
それより、貴方たちは会場に行かなくても宜しいのですか？もうすぐ発表が始まりますよ？」
ギーラ「生憎行く理由がありませんから。」
A(ランスロット)「ほぉ…何故です？」
ジェリコ「何故って、俺たちアーサー様に今日初めて会ったんだ。それも、俺とギーラは遠目で見ただけ。そんな奴に求婚するか？
それに、俺たちは騎士だ。王様が相手にとる分けないだろ。」
二つのなるほどなという回答が私の中に出てきた
一つは、ギーラとジェリコが式典に行かない理由
もう一つは…
アーサー様は私なんぞに興味がないということ
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