episode89 ページ12
あ〜ついに来ちゃったね…
逃げたいな…
私はとうとう俯きドレスを握りしめた
そっとエリザベスの手が私に重なった
顔を上げるとニコリと笑っていた
エリザベス「自分の思っていることを伝えればいいんですよ。」
A「うまくできるかな…」
エリザベス「大丈夫です。」
扉が開かれる
眩しい光が私の目に届く
正直今何を考えてるか自分でも分からない
みんなの視線がささる
まるで大きなモンスターに見られているような気だ
ゆっくりとゆっくりとアーサー様に近付く
アーサー様は私が戻ってきて凄く嬉しそうだった
そして再び対峙する私とアーサー様
いや、さっきはランスロットだったから、初めてなのかな？
アーサー「A戻ってきてくれたんだ！」
A「は、い…。」
またも沈黙が流れる
ダメだアーサー様を目の前にすると何も言えない
あ、そうだ。だったら見なければいいんだ
私は息を吐き出して、話し始めた
A「アーサー様。」
アーサー「は、はい！」((ﾋﾞｸｯ
A「まだお付き合いもしてない者に『結婚してください。』というのは失礼ではありませんか？せめて、『結婚を前提にお付き合いしてください。』なら分かりますよ？」
アーサー「すみません。」
A「あと、サプライズはいいと思いますが、ほどほどにしないと周りに迷惑がかかります。」
アーサー「うっ…」
A「それから、アーサー様のせいで私がランスロットだということがバレてしまったじゃないですか！」
アーサー「す、すみません。」
A「それから…それから……！」
言っているうちに涙が出てくる
A「いきなり好きだって言われても気持ちの整理がつきません。
でも、これだけは言わせてください。」
強く強く手を握る
色んなことが頭を駆け巡った
アーサー様との思い出とか、自分の思いとかいろいろ
A「私のほうがずっと…それこそ、幼少期からずっとアーサーのことが好き！大好きなの！この気持ちは変わらないの!!」
この時ばかりは泣いた
折角エリザベスにしてもらったメイクが崩れるくらい泣いた
自分の思いちゃんと伝えたよ
これでいいんだ。後悔なんて何もないよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
