episode78 ページ1
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もうすぐ婚約者が発表される時刻だ
なのに、私は今一刻も早く会場から出ようと歩みを止めない
理由は明白だ
見たくたいのだ
アーサー様が意中の女性に告白して、結ばれるところを
なんと滑稽で自分勝手なのだろうか…
エリザベス「Aちゃん…！(小声)」
A(ランスロット)「エリザベスちゃん…」
あと少しで会場から出られるという所で、エリザベスに見つかり呼び止めれた
エリザベス「何処に行くのですか？」
A(ランスロット)「外の様子を見に行ってくるよ！」
エリザベス「……嘘ですよね？」
A(ランスロット)「はぁ…エリザベスにはかなわないな〜
…うんそうだよ。嘘だよ。本当は逃げるの。」
エリザベス「やはり……そうですよね。
自分の好きな相手が、ほかの人と結ばれるところなんて誰も見たくないですもの。」
悲しい笑顔で私を見つめてくる
本当にエリザベスには申し訳ないよ
ずっと私のことを応援してくれたのに…
A(ランスロット)「本当逃げたくないんだ…
でも、ずっとここにいるとほんとに自分がどうにかなりそうで…！」
エリザベス「Aちゃん…つらいですよね。」
私は目が熱くなってきて、泣きそうになるのをぐっと我慢した
A(ランスロット)「だからごめんね…今は少しだけ逃げる。」
エリザベス「分かりました。でも、Aちゃんは逃げるのではないでしょ？」
どういうこと？
自分の都合が悪くなって、顔を背けたいと言ってるの
それを逃げると言わないでなんというのだろうか
エリザベス「だって…Aちゃんは外の様子を見に行くだけでしょ？」((ﾆｺｯ
私は愕然とした
あぁ…なんてこの子は優しいのだろうか
エリザベスの優しさに私は幾度救われたことか
A(ランスロット)「ありがとう…エリザベス。ほんとに優しいのね。」
エリザベス「そんなことありませんよ。さぁ、早くしないと時間になってしまいますよ。」
A(ランスロット)「本当にありがとう。
ここに帰ってきた時はちゃんと心にけじめをつけてくるから！」
エリザベス「無理はしないでくださいね。」
私はエリザベスに見送られ、会場の外に出た
外に出たと同時に我慢していた涙が出てきて、1人でさめざめと泣いた
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