episode69 ページ29
鎧を脱ぎ、ベッドに横になる
デスクワークは終わらせたし、このまま少し寝ようかな
アーサー様はマーリンに任せてるし〜
よし、寝よ…
あと、念のため例のあのぬいぐるみは隠しておこう
ーーー
ーー
ー
？「…て！…きて！A起きて！」
A「んん…だ、れ？」
アーサー「俺だよ！アーサー！」
…は？アーサー様？
アーサー様!!?
私は勢いよく体を起こした
A「どうしたのですか！？」
アーサー「あ〜うん。ちょっと話があってさ。」
A「話…ですか。いいですよ。」
アーサー「あ、こっちにきて！お茶の用意もしてあるし！」
私たちは椅子とテーブルのある所へ移動をした
話とは何だろうか…
でも、なんか嫌な感じがする…
アーサー「あの…いきなり部屋に押しかけてごめん。」
A「お気になさらないでください。
それで話とは…？」
アーサー様は真剣な顔つきになり、
私の方をじっと見てきた
アーサー「俺……俺！結婚することにしたんだ!!!」
A「え……？」
私の耳は聞き違えたのだろうか
いや、でも今確かに…
頭がガンガンして、心拍数が上がる
言葉で言い表せない気持ちになる
呼吸もちゃんと出来ているだろうか？
アーサー「A？」
A「あ、すみません。お相手は？」
聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!!
アーサー「まだ言わない。俺の婚約者披露会(？)みたいなのを開こうと思ってるからそこでみんなに初めて教える予定。」
A「そう…ですか。国民にはいつお伝えに？」
アーサー「明日の朝、結婚するってことだけ伝える。」
あぁ…終わった…
初恋は叶わないって誰かが言ってたけど本当なんだね
思いを伝えないで公開するより、伝えた方がいいって言うけど、ここで私が伝えたら迷惑がかかる
私が我慢すればいいんだ
私が我慢すれば…
だから私は自分の気持ちに嘘をついて生きる
昔も今もこれからも…
A「どうぞ…お幸せに！」
私は嘘つきの笑顔を微笑んで、アーサー様に言った
アーサー「！ありがと！じゃあ、俺行くね！」
アーサー様が部屋を出ていった
暫く呆然としていたが、我慢していたはずの涙が溢れてきた
A「あ…れ…おかしいな…我慢していた…」((ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
私は周りに気づかれないように息を殺して泣き続けた
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