翻訳が機能する世界線【D.Gray-man】 (ページ7)

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七十八之門ページ7

結局自分は、教団という場に足を踏み入れた時点で囚われているということだ。非常に面倒なことであるが。

「さて、フレア。」
ルベリエとの対談終了後、案内された部屋のベッドで寛いでいた自分は身体を起こして室内を飛び回るフレアに声をかけた。
「〔なにー？〕」
「出掛けるぞ。」
「〔えっ何処に？てかそれっていいのかっ？〕」
フレアの言う通り、自分達は部屋に案内された時に鴉から今夜はもう一歩も部屋を出るなと釘を刺された。しかし、そんなのに易々と従うつもりは無い。物語を変えるつもりは無いが、どうしてもやっておきたいことが一つだけあるのだから。
「駄目だろうな、だからなフレア。」
「〔？〕」
「外から壁で行くぞ。」

この時のフレアの顔は、かなりドン引いていたことをよく覚えている。
なお、クロスケはもう寝たので留守番である。

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「〔何でこんなサバイバル方法選択したの！？〕」
大雨の中、ただひたすらに外壁を登り続ける変人こと自分、虎門白桃。当たる水のせいか上手く飛べないらしく自分にしがみつきながら文句を言うフレア。
「廊下には出られないだろ。」
「〔だからって壁はない！！〕」
否定はしない。
「まぁな、けど、こうでもしないと正攻法で言ったところで会えないと思ったからな。」
「〔ええ？〕」
ガッ、と当たり前のように壁の溝に指をはめて身体を上へ上へと持ち上げていく。指先が雨のせいで冷え切って、ところどころ落ちそうになるがあまり恐怖は無い。こんなところで死ぬつもりは無いし。
そして時間をかけてようやく辿り着いたのは、一つの窓だった。その窓辺に腰をかけている人物が自分達を見つけてぎょっとした表情で見てきた。
「＿＿＿＿久しいな、クロス。取り敢えず開けてくれ。」
「マジで何してんだクソガキ！！！！！！」

バァン！！！！！！盛大に開かれた窓と同時に自分達の身体はクロスによって捕まえられたのであった。

「ッで壁登ってくんだよ！！！」
「じゃあ逆に聞くが正攻法で自分が貴方に会えると思うか？」
「だからって方法が極端過ぎんだよこの阿呆！！！」
バシンッ、とクロスから自分の顔面を目掛けてタオルが飛ばされた。地味に痛い。しかしこれは彼なりの優しさである。