翻訳が機能する世界線【D.Gray-man】 (ページ5)

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七十六之門ページ5

「やぁ、はじめまして。待っていたよ。」
初めて目の当たりにするマルコム・Ｃ・ルベリエという男は、なんとも形容し難い＿＿しかしながら、見た目通りともいえるような気を感じられた。
「……どうも。」
どうにもこうにも気が乗らない、自分はその思いを隠すつもりもなくソファに優雅に座るルベリエを見下すような視線を向けた。
「そんな嫌そうな顔しないで、ほら、君も其方に座ってください。」
「………はぁ。」
ほぼ溜息に近い返事であったが、一応指示に従うことにした。腰をかけて直ぐに、「君は、お菓子は好きかね？」とルベリエにマフィンを勧められる。
「気持ちだけ受け取っておく。」
「そうですか、それは残念だ。」
自分へ差し出したマフィンを戻し、本当に残念そうに言う。そんなこと思っていないのは目の色を見れば一目瞭然であった。
「結構美味しく出来たんですけどねぇ、君は好きなお菓子はありますか？」
「御託はいい、話があるんだろう？早く言え。」
どうやら雑談から入るタイプらしい彼は、こうでもしないと時間がかかる気がしたので少し強めにものを言った。
あまり私情は挟みたくないのだが、自分はルベリエという男が心底苦手なのだ。
「ふむ……ではまずはじめに君のことを聞きましょうかね。」
「は、や、く、言、え。」
のんびりとしながら不気味に笑うルベリエに若干キレそうになっている自分をコムイとブックマンがハラハラしながら見守っていた。

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「なるほど…やはり殆どの回答が「分からない」……。聞いていた通り謎が多い子ですね。」
「だったらなんだ。」
「まぁ、どう考えても疑わしいですよね。」
「ケッ、」
分かっていたなら何度も同じようなこと聞くな。自分は呆れて、はぁ、と再び溜息をついた。
「偶然教団に保護され、人間であるからAKUMAでは無い、しかしまだ見ぬノアやブローカーの可能性はある。」
「………。」
「実に、疑わしいですね。」
淡々と説明口調で言うルベリエを自分は睨みつける。話を一緒に聞いていたコムイやブックマンは何も言わない。その方が有難い。変に口出しされる方が迷惑だ。
「勝手に疑えばいい。自分はこの戦いに何か関わるつもりは無い。ただ見届けるだけだ。」
「見届ける？それは何故、そして何を見届けるというのです？。」
自分の言葉をルベリエは、理解が出来ないと言いたげに此方を見る。分かるだろう、いや、分からないか。