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九十之門 ページ21

自分としては、人様に見せて恥ずかしくない格好といえば、学生である自分にとってやはり一番は制服なので、あまり他の服が欲しいとは思うことがなかった。
「そういえば、白桃ってずっと同じ服ですよね。」
アレンが今更気付いたように此方を見て不思議そうに首を傾げる。
「ほぼ団服のお前らに言われなくない…。」
「俺らはこれが正装だからね!」
ねー!と楽しげにアレンとジョニーが顔を見合わせる。ちょっと羨ましい。
「でも、どうして同じ格好ばかりなんですか?」
「どうしてって………楽だから、?」
「なんで疑問形なんですか。」
自分の答えに全員が苦笑する。リンクは相変わらず呆れ顔だ。
元々洒落っ気が無く服に頓着が無いことは自覚しているが、自分としては所持品を必要最低限にしておきたいというのもある。元の世界に戻る時、なるべく自分が居たことを残しておきたくない。
そんな思いは露知らず、リナリーは人差し指を頬に添え、笑顔で言った。
「まぁなんとなくそういうと思ったから、白桃くん!これから私とお買い物に行きましょう!」
「……………はい?」
思わず目が点になってしまう。流石にアレン達も驚いているようで、声を発さずに自分とリナリーを交互に見た。
「〔デートだ!〕」
「フレア黙れ。」
耳元で余計なことを言いよるフレアの頭を軽く叩いた。自分達のやり取りを、リナリーは華麗にスルーして言葉を続ける。
「最近、色々あったし…折角だからアレンくん達も一緒にどうかなっ?」
アレンは少し呆然としリナリーの言葉を時間をかけて理解してから、焦りながらも「も、もちろんです!」と答えた。
「リンク!行ってもいいですよね!」
「……報告書を書くのなら…まぁ、少しくらいは許しましょう。」
リンクは一瞬難しい顔をしたが一応承諾し、それにアレンは嬉しそうに笑った。
「やったぁ〜!」
監査官と監査対象という関係でありながらも、やはりこの二人のやり取りは何処か親子のようだ。
「ああ〜、俺…この後仕事あるんだよなぁ〜。残念…っ!」
アレンと対照に、ジョニーはガックリと項垂れる。科学班は、AKUMAやイノセンスの情報を掴んでから活動するファインダーやエクソシスト達と違い、聖戦に関する全てのことを常に研究しエクソシストのサポートに徹することが仕事な為に、教団内でも特に年中仕事が耐えない。
徹夜をすることも多く、日常生活の殆どをラボで過ごしているようなものだ。
(本当なら、休ませてあげたいが…。)

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錫也(プロフ) - 翻訳機が復活するってことですか……!?最近は朝昼夕と気温の寒暖差が激しいのでご自愛ください…!! (10月20日 7時) (レス) @page36 id: 046abef528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年7月17日 18時

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