翻訳が機能する世界線【D.Gray-man】 (ページ17)

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八十六之門 side Allen ページ17

『お前に、俺は要らねぇ。』
自虐のように聞こえるが、きっと彼は自分の助けが必要な程お前は弱くない、そう言いたいのだろう。そういう意味でなくてもそう解釈することにする。その方が、彼に好感を持てるから。
『そうですね。』
『彼奴らがいれば、平気だろ。』
"彼奴ら"。その中に、白桃はきっちりと含まれているのだろう。神田は何だかんだ言って彼に甘いのだ。そうだ、僕には白桃も、リナリー達もいる。まだ守りたくて譲れないものが自分にはあるんだ。ひとりじゃない。何も恐れることは無い。
神田から貰うひねくれた激励の言葉に、僕は笑みを零した。
『ふふ、はい。そうですね。』
『笑ってんな気色悪ぃ。』
『はあ？デリカシーの無い男ですね。建前ってものを学んだらどうですか？』
『うぜぇ似非紳士。』
『黙りやがれくださいパッツン侍。』
そこから先はお約束である。後にやって来るジョニーに止められるまで僕と神田のいつもの戦争は続いたのであった。

(大丈夫、まだ、ひとりじゃない。)

僕はひっそりと未来に願った。

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【後書き】

神田とアレン、犬猿ながらの、ライバルながらの絆というものが書きたかったのですが…、この頃の神田、割とガチ目にアレンのことどうでもいいと思っているんですよね…。まぁどうでもいいと思う根本的な理由としてはアレンが十四番目の宿主であることだと自分としては解釈しています。
神田はアレンが十四番目の宿主だろうとどうでもいいしどんな目に遭おうと知ったこっちゃないって感じですけど、アレン個人としては特に無関心って訳では無いと思うんですね…。
あの手のキャラって無関心なら本当にどうでもいいと感じて顔すら覚えない、ましてや「モヤシ」だの滑稽な渾名でずっと呼び続けないと思うんですね。
まぁだから、アレンが十四番目の宿主であることを神田が知らない空白の時間に、こんな話があってもいいのかなぁとか、一応ある程度お互い信用しているからあってもいいのかなぁと妄想したりしてこんなお話を書いたりしちゃいました…。
完全に、私の趣味です。欲望です。なんなら私仕様で神田がアレンに原作以上に優しいという…。
まぁこの話は後々生かせていけたらいいなぁとちょっと思ったりしているので……。
さらっと、読んで、記憶の片隅にでも入れて置いていただければ…なんて……(笑)