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六十八之門 ページ43

「そうか、?自分の中ではかなり驚いた方だったのだが。」
「白桃はほとんど顔に出ねぇからなー。」
「〔たしかに、俺と話してる時も声色一つ変えねーで淡々と喋るし。〕」
自分の答えに苦笑気味にラビがケラケラ笑い、フレアは渋い表情で見つめてくる。
いやはや、そればかりは仕方ない。現代の友人にも言われたのだ。「お前、前世に表情筋だけ燃えるゴミにでも出したんじゃね?」と。こればっかりは大変遺憾の意であった。その後に容赦無くアッパーをかけてやった。
そんなことはどうでもいい。何にせよ、自分の表情筋が死滅していることなど今に始まったことではない。それに、
「これでも、自分の中では表情は変化しているのだが、」
そう…例え死んでいると表現しているとはいえ、百パーセント動かないのかと聞かれたらそんなことは無い。自分の中では動いている感覚がしっかりとする時はあるのだ。
「まぁ〜確かにビミョーに変わる時はあるさねぇ…でも本当にビミョーさ。」
キッパリと言い切るラビに段々イラついたので怒りを込めて彼の頬を引っ張った。
「いでででで!!」
「ラビってば。失礼なこと言うからですよ。」
「オレが悪いんさ!?」
自分そっちのけで今度はラビとアレンが言い合いを始める。その様子を見ていると不思議と笑みが零れた。
「ふっ、」
「えっ!」
「おお!?」
小さな音だったはずが、二人は簡単に気付いて言い合いをパッとやめて一斉に此方を向いた。
「……何だ。」
「今、笑いました!?」
「しかも、声出して!」
「…悪いか。」
二人からの言葉が少し気に食わなくて、つい不満気に言ってしまった。が、しかしそんな自分の反応に嫌な顔一つせず、二人は互い顔を見合わせたあとに此方を向いて嬉しそうに笑った。

「凄く良いと思います!」「めっちゃいい感じさ。」

重なるそれぞれの言葉が、心にじんわりとあたたかく染み込んでいく感じがした。




________________________________









また、白い世界。






『もう少し、』







『あと少し。』









『だから、…____』









『 ニ ガ サ ナ イ 。 』









「____は、ぁッ!」

目を覚ます。霞んだ視界に映ったのは薄暗い世界。
(此処、は……、。)
自分は頭を働かせ、以前の記憶を思い出す。そうだ、自分はアレン達と談笑した後にそのまま医務室で眠ってしまったのだ。

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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

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