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六十二之門 ページ35

そんな自分の気持ちは知らず、ジョニーは気にせず頬についたそれを手に取った。いや凄いな。
「これ…。」
ジョニーが手に持つそれを恐る恐る覗き込む。そして察する。やっぱりこれか。
そのときに、抑え込んでいたクロウリーがアレンの腕の中で再び暴れ出し、彼の頬をぶん殴って部屋から飛び出ていった。その際にコムリンが怯えて悲鳴を上げる。
「《キャアアアゴメンナサイ!!》」
というか生きてたのかお前。
「あぁあーーーーっっ!!!」
気付いたらしいジョニーが驚愕の声を上げた。そしてクロウリーにのされた三人の元へと急いで駆け寄る。自分はそれを後ろの方で眺めていた。
「追っかけてみんな!!これっ今、クロウリーが吐いたこれ!フタ!!」
「「「へ〜〜〜?」」」
三人は分かっていないようで、未だに目を回している。しかし、今はのんびりしている暇は無い。
「コムビタミンDの原液が入ってた容器のフタだよ!!」
ジョニーの言葉に、全員が目を覚ます。
〈て、ことは…〉

クロウリーが

コムビタミンDを

飲んだ!

かーんせーんげーん☆

その時、全員の脳にこの方程式が浮かび上がったのであった。
沈黙をぶち破るようにアレン、神田、ラビ、コムリンが勢い良く部屋を飛び出していく。
「「「「まぁあぁてぇぇえぇぇッ!!」」」」
「わっまって!」
ジョニーが四人を止めようと入り口から顔を覗かせる。自分は未だに部屋の奥にいる。理由は単純明白。
ドドドドド。けたたましい音と共にアレン達がUターンして戻ってくる。そしてジョニーの腕を掴んで反対方向へと走っていった。そしてそれを追うようにゾンビの群れが通り過ぎていく。
部屋の奥にいた自分は存在に気付かれず、大軍は去っていった。
「ふぅ、」
アレンも言っていたが、あんなヨダレ垂らしまくりの亡者になるのは自分もゴメンだ。この状況の中、一人でいるのは危ない。とはいえこのままアレン達といても結局は亡者になる未来が待っている。
と、いうことで、一人で行動してみようと思った。以上。
なお、この危険極まりない判断がなんと正解であったことを自分は後に知る。



____________________________


(とはいえ、何処に向かおうか。)
今現在、何処へ行っても亡者しかいないのでこの部屋から出るのもまずい。かといってこの部屋に亡者が入ってくる可能性は十分にある。
「うーん、」
首を捻って考える。良い答えは依然として見つからない。

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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

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