検索窓
今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:18,274 hit

六十一之門 ページ34

「ちょ、神田首、締まって…」
「我慢しろ。」
んな無茶な。
その隙に、アレンはクロウリーに左足首を掴まれてぐるぐると回され上の方へとぶん投げされる。
「わーーーーー!!」
「アレン!」
飛ばされたアレンを心配して名前を叫ぶも、此方も油断がならない。
「面妖なカッコしやがって。」
「カンベンクロちゃん。」
神田は自分から手を離して前に出る。ラビも立ち上がって神田の隣に並んだ。
イノセンスが無くとも、小さい身体を駆使して果敢に立ち向かう。元々のセンスがいい二人の戦いっぷりにもしかしたらと思うが、子供と大人の身体では力の差が歴然である。隙をつかれて二人ともクロウリーに頭を掴まれ、手と手を合わせる要領で二人の頭をぶつかり合わせた。
(うーん、痛そう。)
戦える者を薙ぎ払い、クロウリーは次に自分とジョニーへ牙を向けた。
「あわわわわわ」
「ジョニー後ろに下がって!」
「でも白桃…っ!」
大丈夫、この後の展開は変わらない筈だから。
クロウリーが拳を振り下ろす。ジョニーが身構えて目を瞑るのが分かる。自分は怯えることは無く、ただ彼を信じて目の前のクロウリーを見つめていた。
ゴッ!!!!
その鈍い音は、自分達から出たものでは無い。
目の前に広がる真っ白なマント、拳を受け止めている金と白の大剣。
____その姿を信じていたよ。
「助かった、アレン。」
「いえ、それより怪我は?」
振り返ったアレンの表情は相変わらず、他人のことばかりを思う優しいものだった。そんな愛しい彼に、自分も優しく笑いかける。ちゃんと笑えているかは、自分の表情筋では微妙なところだが。
「大丈夫だ。」
「良かった…。……なんだか懐かしいねクロウリー。」
アレンはクロウリーの方へと向き直り、右手を剣から離す。そして、その右手で拳を構える。
「僕らはじめて会ったときもこうして…戦った!」
ドゴッ!!!!
綺麗な右ストレートがクロウリーの溝に入る。きっとアレンは気絶させる気持ちで拳を振った。これ以上病み上がりであるクロウリーと戦わない為に。与えたダメージは相当なもので、クロウリーは苦しむ声を上げた。次の瞬間、彼は口から何かを吐き出した。
「ぶへッ!」
「!?」
「うわッ汚い!」
吐き出されたものが何かは知っているし、それが物語の重要な鍵になるものだとは分かっている。しかし流石に受け入れられず、思わず自分は避けてしまった。そしてそれは、ジョニーの頬へと貼り付いた。
(なんかすまん。)

六十二之門→←六十之門



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
設定タグ:Dグレ , 原作沿い , D.Gray-man
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。