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五十九之門 ページ32

(まぁ、それもそうか。)
エクソシストの中でもアレンとラビは、クロウリーがエクソシストとなるきっかけともなった事件で彼の初めての友人となった二人だ。関わりの深い二人にとってこの状況は大変喜ばしいことだ。……ゾンビ事件真っ最中でなければ。
「そうだ、私である…開けてくれ。」
開けてくれ、その言葉に全員の動揺を感じる。

戸惑い、喜び、そして____疑い。

教団内の人間がゾンビ化しているこの現状で、仲間といえどそう易々と信用出来るほど全員馬鹿ではない。実際その通りなのだから。
「《感染シテルカモシレナイ、開ケルアブナイネ》」
コムリンの言葉に全員の心が賛同する。
かといって、ずっとこの状況を続けていられるかと聞かれれば答えは否だ。感染しているしていないにせよ、開けないという選択肢は出来ない。
では誰が開けるか。そんなの決まっている。

ジョニーを除く自分達は、コムリンの背中を当たり前のように押して扉の方へと近付けた。
「《何スルノ!!!!!》」
「「「「開けてこい。」」」」
泣き喚くコムリンに大してトドメの一言。
生き物であれば必ず感染するだろうコムビタミンD。それに感染した可能性のある人を相手に我々人間が簡単に出られるわけが無い。
「《イヤアアアアッ!!!ヒドイネ!怖イミンナ一緒ヨ!開ケタ途端ズバン殺ラレル!ホラーノ常識ネ!!》」
「よく分かってるじゃないか。」
「まぁヘーキヘーキ。」
「そんなパターンな展開ねェよ。」
未だめげずに喚くコムリンに、自分、ラビ、神田の順で適当に説得していく。
ここまでしても効かないので、遂に真打、アレンの登場である。
アレンはコムリンの両腕(腕か?あれ)を掴み、説得を試みる。
「僕らだってこんなことをキミにされるのは辛いんだよEXっ。」
「《イヤヨ開ケナイ!》」
「聞いてEXっ!」
「《イヤッ!》」
その光景を見守りつつ、自分はコソコソと神田に話しかける。
「浮気を知った彼女に弁解を試みる彼氏みたいだな。」
「それアイツの前で言ってみろよ。」
「それ遠回しに死ねって言ってるよな?」
くだらないことを言っているうちに、アレンの説得はどんどんと進む。
「コムイさん達とはぐれた今、コムビタミンDの抗体を作れるのはジョニーだけです!」
「あ、そだね。」
確かに正論である。
「こちらに残った手勢は僕とキミと役立たずなチンクシャと論外だけ!」
「おい待て誰が論外だ。」
間違ってはいないが悪口言われて黙っていられるほど大人では無いぞ。

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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

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