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五十四之門 ページ27

醜い罪の押し付け合い争いに巻き込まれるのも嫌なので、そっと神田を下ろして後ろの方へと下がることにした。
トン、と背中が誰かにぶつかる。
「あ、すまない。」
振り返ってみると、そこにいたのはアレンだった。しかし、何やら様子が可笑しいようだ。顔は青く、胸元辺りを抑えている。気分が悪いのだろうか。
(あ、そういえば…。)
アレンが婦長に噛まれていたことを思い出す。原作でも体調を崩していたな。さすがに心配なので、手を彼の背中に添えて問いかけた。
「アレン、大丈夫か?」
近くにいたジョニーも自分の声でアレンの異変に気付いたようで、「どうかしたか」と問いかける。
「イヤ、実ハ…」
アレンがそう言いかけたところでジョニーも婦長に噛まれていたことに気付く。
「いやだ…っ、あんなヨダレダラッダラの亡者になるなんてプライドが許さない…!」
体調不良には負けんと理性を総動員させながら頭を抱えるアレン。そんな彼を「紳士だもんね…」と呟きながら生あたたかい目で見守るジョニー。
(紳士って…そういうものだったか。)
なんてことを思いつつも、アレンの体調は普通に心配なので「肩貸すぞ」と言うと、アレンは素直に頭を預けてくれた。
「元気出しなよ、抗体(ワクチン)さえ手に入れば助かるさ。」
景気のいい声でジョニーが励ますも、アレンは涙目である。仕方無い、自分も励ましてやるか。
「そうかな…?」
「そうさ!」
「そうだな。」
「【そうかしら】」

「「は?"かしら"?」」
アレンとジョニーが顔を合わせる。
(見なかったことにしよう。)
自分は何も見ていない、そう心に誓うことにした。今は"アレ"に構ってやる暇などない。
それよりもこの後が心配なのだから。

「わ」
「る」
「い」
「こ」
「はーーーー」
後方の窓から声が聞こえる、アレンも気が付いたようだ。

「いねがーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」



ドガッ!!!!!!!!!!!!



言葉と同時に、窓だけでは無く壁まで派手に破壊される。
アレンは咄嗟にイノセンスを発動させ、傍にいた自分を庇うように抱き抱えながら、謎の人物による攻撃を「退魔ノ剣」によって受け止めた。
「う…っ」
アレンは攻撃によってビリビリと軽い痺れを感じているのが密着したところから伝わってくる。
(おお、今の自分なんか少女漫画のヒロインだ。)
なんて言ってる場合じゃないな、うん。

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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

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