五十之門 ページ23
「どうしたんだよお前らッ！！」
リーバーの問いに答える者はいない。完全に自我を失っている。どんどんと迫り来る感染した人々。
「扉の方を見てください。」
さっきまで黙りだったリンクが口を開く。そして言葉の通りアレンと一緒に扉の方を見ると、ゾロゾロとほかの感染者達がやって来た。
「みっ…みんな…！？」
「うわキッッッッショ。」
混乱するアレンを他所に素直な感想を声に出した。すると勢いよく後ろの方から引っぱたかれた。
「貴方は言葉を慎むことを覚えなさい！！」
叩いたのはリンクらしく、身体の向きを180°回されて彼と向き合う形にされて至近距離で怒られる。真面目だなと単純に思いつつ、リンクが焦っているのを見るのはなかなか面白いので反抗してみる。
「だが断る。」
「引っぱたくぞクソガキ！！」
「り、リンク落ち着いて！」
頭に血が上ったらしいリンクが胸倉を掴んできた。すまん悪気はあった。
「でも安心しろ、もう引っぱたかれた。」
「そういうことじゃないだろ！」
目の前のリンクに向かってグッドサインを送ると、次はアレンから一発食らうことになった。
「そんなことより、これは一体…！」
「こいつら正気じゃねェぞ！！」
バキッ。焦るアレンの言葉を遮るように、神田が音を立てて容赦無くマリを蹴り倒した。それを合図に、他の連中が此方へ襲いかかってきた。
「「ガアアアァアアァ！！！！」」
やられる、そう思った瞬間に視界は白で覆われ、身体はリンクに抱き抱えられた。身動きが取れないし少々恥ずかしいんだが。そんな中、上の方からリナリーの此方を心配する声が聞こえる。
「ごめんなさいっ」
【神ノ道化】！！
視界が暗闇へと戻された。そして、多くの感染者が少し遠くへと吹き飛ばされる。
「ガアッ」
どうやら今さっき、アレンが自分やリンク、リーバー達をイノセンスで助けたらしい。一気に開けた視界を利用して上の方を見上げると、神田やブックマンを抱えたリナリーの姿が確認出来た。
(リナリー力持ちだな。)
そして、こんな時でも優しいアレンは感染者達に謝っていた。
「ご、ごめんなさいっそんなに痛くないようにしたんですが…」
言ってる場合か。
ラビがアレンのイノセンスを掴み、「逃げるぞアレン！」という声をかける。それと同時に自分達も急いで走り出した。
「「なんなんだよ一体〜〜！！」」
なお自分は走り出して直ぐに転けそうになったので、瞬時にリンクによって俵かつぎされた。
(うう…カッコ悪い…。)
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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (
レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ！！更新楽しみにしてます！ (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年6月13日 21時
