四十七之門 ページ20
急に真っ暗になった辺りに驚き、無意識に全員が部屋の中央の方へと集まってくる。少し暑苦しい。
【ヒヒ… ヒヒヒヒ… ヒヒヒヒヒ ヒヒヒヒヒ…】
騒然とする中、突如となく聞こえてくる女の子の笑い声。
(実際に耳にするとかなり不気味だな。)
「なんだ！？」
「声…？」
アレンやラビが混乱して声を上げる。それに続いてミランダが怯えながら、
「おっおっおっおばけ…！？」
と言った。その言葉にアレンとラビは少しギクリとして「「まさか」」と声を揃えて否定する。
神田は落ち着いて「コムイの仕業だろ。」とボヤいていた。部下にそんな風に思われてるコムイ、哀れよ。
「まて！」
今度はマリが声を上げた。全員が其方へ集中して視線を送り、耳を澄ませている様子のマリが恐る恐る言葉を続けた。
「この声、何処からしているか分からない。」
マリのその言葉に、科学班の面々が「室長だ！」「絶ッ対室長だ！」「室長ーっ！俺ら忙しいんですよ！」「仕事しろ巻き毛ーー！！」等とそれぞれ悪口を叫び出した。コムイ本当に信用無いな。大丈夫か職場。何だか可哀想に思えてきて、少し悪戯心で自分は口を開くことにした。
「あながち、幽霊かもしれないな。」
ピシャリ。部屋の温度が一気に下がり、全員が凍りついた。
「…そ、そんなこと、言わないで下さいよ…白桃っ」
冷や汗をかきながらアレンが自分の肩を掴んだ。ラビもそれに同意するようにうんうんと高速で頷いていた。焦り過ぎか。幽霊よかAKUMAの方が怖いだろうに。感覚麻痺してるだろコイツら。
(それに、実際そうだしな。)
周りの冗談はよせというリアクションに、一人真実を知りつつも口に出すことが出来ない自分は遠い目をする他無かった。
すると、マリが急に「しっ」と声にならない音を立て、全員に静かにするように仕向ける。
「声とは別に何か音がする！」
彼のその言葉に全員に緊張が走った。彼が向いている方へ注目を集め、「近づいてくるぞ」という言葉と同時に、ゆっくりと鈍い音を立てながら初めに警戒していた扉が開いた。
未だに笑い声は聞こえていた。
「ふ、婦長？」
扉の奥から現れたのは婦長であった。
(やはりか、)
暗がりで分かりにくいが目を凝らして見るとどうも様子が可笑しい。まぁ当然か。
自分は身体を強ばらせるも、警戒態勢を摂る。
「ふちょう？」
「あ、ホントだ。」
誰とも分からない声が上がる。本当はそんな悠長なことを言ってはいられない事態なんだがな。
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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (
レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ！！更新楽しみにしてます！ (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年6月13日 21時
