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四十三之門 ページ15

「おい!何やってんだこのえのき野郎!怪我してえのか!!!」
「白桃大丈夫さぁー!?」
姿よりも先に二人の声が届いた。どうやら無事らしい。伊達にエクソシストでは無いな。しかし、
(なんか声、随分と高く無いか?)
煙が完全に晴れず、二人の姿が確認出来ない。いや、まだ決まった訳では無いだろう。落ち着け。
ゆっくりと晴れていく視界。そして現れたのは____________


「ったく……この阿呆が…。」
「いやぁにしてもすげぇ煙さねぇ〜。」

________子供になった、神田とラビであった。二人は気付いていないのか、普段と変わらない態度だ。ただし服はぶっかぶかである。周りの連中も視界が晴れ、神田達を見て声も出さずに驚いている。自分も出にくい喉元から何とか声を絞り出し、二人に話しかけた。
「お、おい…二人共……その姿……、」
「ん、?え、えええーー!?なんじゃこりゃあーー!?!?」
「なんだうるせぇぞうさぎ…や…ッ!?は、!?んだよコレ!!!!」
最初にラビが自分の姿を確認し慌てふためき、その声に苛立った神田がラビの方を向いて状況を察して自身を確認して驚きの声を上げた。
そして、そんな二人を見て自分は察した。

(……今日って、まさかゾンビ回なのか…。)
これから起きる出来事を思い、軽く頭痛を起こす。



ゾンビ回。正しくは黒の教団壊滅事件アゲイン。長いので自分はこれを勝手にゾンビ回と呼んでいる。
コムイが生み出したコムビタミンDにより、教団メンバーが次々にゾンビのような感染症を引き起こし、最終的に黒の教団本部が本当に壊滅するあの回。
この世界に来て、引越し中ということしか時系列が分かっていなかったが、まさかこの事件がまだだったとは不覚だ。未然に防ごうにも未だに教団内の構図を理解していない自分ではまず無理だし、彼等が今幼児化したということは、来るところまで来てしまっているということだ。

(終わった。)
心の底からそう思った。ぶっちゃけあの事件ですら乗り越えられる気がしない。
だって自分この世界で一番弱い。
しかし、ここで考えていても仕様が無い。元々自分は物語を変える気は無いので原作通りにことを進めるべきだろう。

一先ず、彼等をどうにかしよう。
「随分と可愛くなったな。」
「馬鹿にしてんのかテメェ。」
「うわ可愛くな、」
「殺す。」
「ちょっ、落ち着くさユウー!!」
うん、やはり子供になっても神田は神田らしい。

これまでのおさらいと言い訳→←四十二之門



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雪音(プロフ) - 餓羅鑼さん» コメントありがとうございます。マイペースですが更新頑張っていきます。 (2021年6月14日 6時) (レス) id: 8e077a453c (このIDを非表示/違反報告)
餓羅鑼 - 続編万歳ですっっ!!更新楽しみにしてます! (2021年6月14日 0時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪音 | 作成日時:2021年6月13日 21時

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