第４話 ページ20
最初は、彼女を「消してしまおう」と思っていたのだ。
けれどタイミングを逃して、彼女と過ごすうちに死柄木はこの場所に、彼女の隣にいつの間にか心地よさを感じてしまった。
そんな事もあり、今さら後には戻れずにいるうち、季節は繰り返し巡り、彼女と出逢った春がこうしてやってきた。
死柄木は黒霧にさえこの場所の事を話していない。だからいつも歩いて来ている。
「今日はどんなお話を聞かせてくれるの？」
「あぁ、今日は ー…」
さなはこの洋館から出たことがないと言っていた。俺はさなに、外の世界で起きたことを話してほしいとせがまれたので、こうして暇さえあれば会いに来ている。
(仮にも敵、なんだがな…)
純粋無垢なさなの笑顔が眩しい。
俺は、此処にいてもいいのだろうか？
暫く話していると、少女はどこからか花を持ってきて食べ始める。
個性の影響で花、果物、野菜といった自然の物しか食べれないのだ。
「花、うまいのか？」
「うん。私は美味しいと思うよ。」
暖かな日溜まりのなかで、その場所だけが切り取られたかのように静かで穏やかだった。
季節が早送りをしているかのように過ぎていき、彼女と出逢ってから何度目かの冬がきた。
植物は春にむけて栄養を蓄え、人々の足が家路へと急ぐようになったある日。
死柄木は今日も彼女に会うために山奥の洋館へと向かう。
最近、彼女は寝ていることが多くなり、あまり動かない。
ベッドで体だけ起こして、窓の外の景色をずっと眺めていることが増えた。
死柄木が傍に行くと、彼女はとても幸せそうに笑うのだが、その笑顔に時折ふっ、と悲しそうな色が混じるのに死柄木は気づいていた。
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ネコにゃーさん(プロフ) - サラノさん» 温かい言葉、ありがとうございます(泣)実は本編でも書きましたが、私、物語書くのを暫く止めようと思います…本当に勝手ですみません。沢山のリクエスト、楽しくて嬉しかったです！ありがとうございました(T-T) (2016年12月8日 19時) (
レス) id: 0b2ad7d60a (このIDを非表示/違反報告)
サラノ(プロフ) - 早く再開できるように頑張って下さい( ＾▽＾) (2016年12月3日 23時) (レス) id: 79641d3646 (このIDを非表示/違反報告)
ネコにゃーさん(プロフ) - サラノさん» すみません！ミスです…指摘ありがとうございます！ (2016年11月9日 21時) (レス) id: 0b2ad7d60a (このIDを非表示/違反報告)
サラノ(プロフ) - タイトルのロスがロストになっていますよ〜！ (2016年11月9日 20時) (レス) id: 79641d3646 (このIDを非表示/違反報告)
ネコにゃーさん(プロフ) - ミリイさん» 了解しました！今書いてるのが終わり次第始めます！ (2016年11月4日 7時) (レス) id: 0b2ad7d60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコにゃーさん | 作成日時：2016年9月20日 18時
