紫さんとの日常 (ページ12)

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｢…｣
深｢さあ寝るか～｣
｢…辰哉くん｣
深｢起きたらお風呂入って飯だな｣
｢…辰哉くん！｣

全然目を合わせないでわたしのことを
知らんぷりするから
ちょっと大きな声を出して
辰哉くんの名前を呼ぶと

深｢ん？｣

とやっとこっちを向いてくれた

｢…ほんとは、や、じゃない｣
深｢なにがー？｣
｢…！だから、さっきの｣
深｢ちゃんと言わなきゃ俺バカだから分かんない～｣

にやにやしてるくせにどの口が言ってんだ

｢ぎゅーも、ちゅーも！辰哉くんならやじゃないの！むしろすきなの！だいすき！たくさんしてほしいの！分かった！？｣

恥ずかしすぎて何かが吹っ切れたわたしは
キレ気味に辰哉くんに問いかける

深｢…なあにそれええええ！めちゃくちゃかあいいじゃん！うんうん！分かったよ！たくさんちゅーするし、ぎゅーもしてあげるからね？ふっかさんのAちゃんだからね？ん～～ほんとにかあいい…｣

わたしの言葉は予想していなかったのか
辰哉くんはにやにやからにこにこに変わって
ひとり大興奮している

わたしは恥ずかしすぎていたたまれなくなり
真っ赤になった顔を隠すように
辰哉くんの胸元に顔を埋めた

｢たつ、もうねよ、｣
深｢んふふ、そうだねえ～お昼寝しよっかあ｣

顔を埋めたままぎゅっとさらに近づくと

深｢ほんとにかあいいねえ…ずっと俺のそばにいてね、｣

優しい声色と頭を撫でる手のぬくもりを感じた

｢…たつも、離れないでね。ずっと、わたしの、たつだから、ね…｣

辰哉くんのぬくもりのおかげで眠気が急に来て
わずかに保っていた意識の中呟いたけど

…辰哉くんにちゃんと聞こえてるといいな。