15.特訓開始 ページ16
鬼「必殺技が出ない？」
「うん、何度やってもダメなの
過去にそれでチームで問題になって...怖くて...辞めたの」
鬼「なんだ...そんな事か」
「そんな事とはなんだ、こっちは悩んでいるのに...」
鬼「だからマネージャーになって、
必殺技の研究を重ねていたわけか」
「うん、イメージはあるけど」
鬼「聞こうじゃないか」
「右手拳を前に出して、開くと対象に幻覚を見せる
相手が幻覚を見ているあいだにボールを奪う」
鬼「なるほど、オリジナルのDF技か
かなりの集中力と鍛錬が必要になる」
「だよね...」
鬼「だけどお前ならやれるはず、俺の目に狂いはない
明日から覚悟しておけ、みんなをびっくりさせてやる」
「うん、よろしくね」
次の日ー日曜日ー
鬼「冬樹！俺が今からそっちへ攻める。
お前は俺に抜かれないよう、守りながらボールを奪え！」
「う、うん」
鬼「返事が小さい！」
「はいっ！！」
鬼「行くぞ！」
鬼道くんがドリブルをして向かってくる
私も走って、スライディングをした
鬼道くんの華麗なボール捌きによって交わされる
鬼「追ってこい、冬樹！」
「はいっ！」
音「珍しい、お兄ちゃんがあんなに入れ込むなんて」
秋「Aちゃんは選手だったのね」
夏「きっと...何か理由があったのね」
「「「頑張れー！Aちゃん/さーん！！！」」」
音「お兄ちゃんを倒せー！！」
「え、お兄さん！？」
鬼「妹はやらんっ！！」
ﾊﾞｼｭｯと勢いよくゴールを決められてしまった
何だこの茶番は
円「ｱﾊﾊﾊｯお前ら面白すぎだろ！！」
ゴールを決められた円堂くんは、めっちゃ笑ってた
キーパー大丈夫か...それ...
鬼「こら円堂！次入ったら腕立てやらせるぞ」
円「分かってる、すまん！」
鬼「冬樹、狙いはいいがそれじゃ俺は止められないぞ。
集中するんだ、その目でしっかり見極めろ」
「ボール捌きが上手すぎて見えなかった」
鬼「褒めても何も出ないぞ」
「でも...何か出そうな気がする」
円「必殺技か？」
「分からない...けど、楽しい...」
吹「...」
染「吹雪！行ったぞ！」
吹「あ、うん！」
数時間後
「はぁっ...はぁっ...」
鬼「行くぞ！！」
円「よっしゃこい！！」
意識が朦朧とする
でも...もう少しで何か掴めそう
鬼道くんが攻めてくる
目を瞑って深呼吸をする、昔の練習を思い出して
右手を前に出し、強く握る
3...2...1...今だ
タイミングを測り、私は握った手を鬼道くんに向けて開いた
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作者名：エト | 作成日時：2023年9月14日 2時
