13.雪煙の理由 ページ14
そう言われて、木の影から指さす方を見た
吹「エターナルブリザードｯ!!!」
ﾄﾞｫｫﾝｯと大きな音を立て、雪煙が上がった
その中心には、士郎が立っていて
何度も何度も、木に向かってシュートを打ち続けた
吹「エターナルブリザードォォ！！」
納得行かないのか、シュートを辞めない士郎
あれは...アツヤなの？
吹「くそっ...なんでだよ...」
すごく、苦しそうに空を見上げていた
もしかして...昨日の事を気にして...
鬼「朝から昼までずっとあそこにいる」
鬼「吹雪はサッカーの時はあぁなるのか？」
「確かに少し荒くはなるけど...あそこまでじゃ...」
鬼「原因は分かってるのか？」
「うん、でも...きっと本人は自分で言いたいと思うよ」
鬼「そうか、俺たちは待つだけさ。吹雪が心を開くのを...
あまり過酷なメニューをすると体を壊す、止めてくれないか？」
「うん、教えてくれてありがとう。行ってくるね」
鬼「気を付けて」
鬼道くんから送ってもらい、私はアツヤのほうに行った
「アツヤ！」
私が呼ぶと、足を止め、急いで振り返る
ア「A...おはよう！眠り姫ちゃん！」
「誰が眠り姫だ」
ア「目覚めのキスでもしたら起きたのか？？」
顎に手を当てて真剣そうに考えるアツヤ
ん？でも寝る前私違和感あったけど...
アツヤじゃない？それとも夢...？
「アホか」
ア「迎えに来てくれたのか？」
「どこにいるか分からなかったから、
鬼道くんが連れて来てくれた」
ア「あ？誰だそいつ」
「雷門中のメンバーの人だよ、士郎心配して
練習を止めに来たの」
吹「大丈夫？A、何もされなかった？？」
アツヤの雰囲気が消え、急に士郎へと変わった
その際、力強く両肩に手を置かれた
「士郎？鬼道くんはいい人だよ」
吹「鬼道くん...うん、そうだよね...だよね...」
ふう...と息を吐き、手を離す士郎
吹「A、鬼道くんと今日は過ごしなよ」
「え、なんで」
吹「僕は今日、サッカーがしたい」
「じゃあ私も一緒に...」
吹「Aは...サッカーしないじゃん
きっとつまらないよ」
「見ていても楽しいよ」
吹「ほら...危ないし...熊も来るかも」
「守ってくれるでしょ！」
吹「いいから！今日は1人にしてよ...」
その場にしゃがみこむ士郎
どうしたの...何があったの
心配になったけど、心当たりがない私は頭に来た
「...あっそう...いいよ...バイバイ士郎。邪魔してごめん。」
私はムカついて、鬼道くんに向かって高速ダッシュした
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作者名：エト | 作成日時：2023年9月14日 2時
