一緒にダンスを踊ろうか*R.N (ページ14)

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5時に目が覚めた。
日が昇るにはまだ時間がかかるようで、部屋はまだ暗い。
二度寝したいところだったが、見たくない聞きたくないことを繰り返すのが怖くてやめる。

長い長い夢を見た。

夢だけど夢じゃない。
昨日も今日も泣いてしまったから、また廉に笑われるんだろうな。

せめてもの悪あがきで冷凍庫から保冷剤を取り出し目元に当てる。

空気がひんやりとしているから、秋はもう過ぎてしまったのかもしれない。

ソファーに座り、膝を抱えた。
首を横に傾けてみても、支えてくれる肩は隣にいない。
そのままボンッと倒れてしまう。

紫耀は筋肉質で硬いけど暖かい安心感のある肩をしていた。

「........」

寒い夜は同じ毛布にくるまって、紫耀に身体を預けながら一緒に映画を見るのが2人の日課だった。

「........い」

あの日も一人毛布にくるまって、そろそろ帰ってくるであろう紫耀を待ちながら見る映画を探していた。

「........お.........ろ」

そしたら、ピンポーンとドアベルが鳴って.....

「起きろ！！！」

『わ！！！』

「また変なところで寝よって」

どうやらソファーでそのまま寝てしまったみたい。
膝を抱えたままの変な体制で寝てたから腕が痺れてる。

『ん....ごめん....』

「まじ最悪な来客やぞ」

『え？』

「どっかの誰かさんがイビキかいてる間に帰ったけどな。」

『私イビキかいてた？』

「そりゃもうオッサンやったで」

『あー最悪。』

「まあ最悪な客人は懐かしそうに見てたけどな」

廉の独り言は小さすぎてよく聞こえなかった。