25 . ページ27
.
ガラッとした待合室に私と淳太先生の2人だけ。
望君が運ばれて30分程経った頃。
今望君は病室で安静に寝ているようで、目を覚ますまで看護師さんがついているらしい。
廊下を通る看護師さんの靴の音が大きく聞こえるな、なんて思うくらいに静まり返る空間。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…
静かな広い空間に電話の音が鳴り響く。
淳太先生はスマホを取り出して 学校から 、と言って外に出ていった。
隣にあった人の温もりさえもなくなった完全に静まり返った空間は私にとって何故か緊張してしまって。
スマホを取り出すと、いくつかメッセージが溜まっている。
『望倒れたん！？』
『望の状態わかったら連絡して』
舞や流星君のメッセージさえ返信する気もなく、未読のまま画面を消した。
考えてみれば望君は私には冷たいけど本当はいつでも明るくて面白くて、
いつの間にか頼っているような、いわば安心できる皆のリーダー的存在。
望君がいるから自然に演劇部1年生がまとまっていった。
クラスも学級委員長として望君がまとめてくれている。
…なんで私にあんなに冷たいのか、未だに分からないけど。
少なくとも私が望君を頼りにしてしまっている事に変わりはない。
淳「A、小瀧のとこ行くで」
「…はい、」
私は望君が好きなわけじゃない、むしろ嫌いだ。
でも望君には病気という負担があるのに、私はさらに重荷を負わせている。
私が望君に迷惑をかけている事に変わりはない。
好きも嫌いも関係ない。
望君に嫌われていたとしても、少しでも力になれるはず。
明るくて優しくて面白くて、でも真面目でやる事に真っ直ぐで頼りになって…
そんな嫌いな望君に、私は少し寄り添おうと思います。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
孳埜(プロフ) - Nextさん» ありがとうございます！最近忙しくてお話かけてなくて...そんなこと言っていただけるなんて感謝感激です！！これからもご愛読よろしくお願いします(_ _*) (2019年3月2日 12時) (
レス) id: b5c8d0b27b (このIDを非表示/違反報告)
Next - 続きが楽しみです！更新、無理せずに頑張ってください！ (2019年3月1日 21時) (レス) id: cf1942b956 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：孳埜 | 作成日時：2019年1月30日 22時
