１１０【R】 ページ11
廉side.
.
俺は昔から、泥舟に乗るのは嫌いだ。
だから真っ直ぐに健人が好きと認めたAは、俺よりよっぽどすごいと思う。
なんて、Aには言ったことなかったな。
｢お前、そんなに健人が好きなん？｣
｢…うん｣
顔を赤くしながらも、ハッキリとそう言ったAに正直驚いた。
でも、それだけ認めるようになっちゃって、置いてかれたなって笑いがこぼれたのも事実で。
｢お前さぁ。頑張ったんやろ？｣
｢…うん｣
｢ならそれでええやん。
あとはちゃんと最後まで健人に伝えろ｣
｢…っ、うん…！｣
あ──あ、俺もハッキリしやなな。
ずっとAに認めろ認めろ、て。
本当は全部自分に向けて思ってたくせに。
｢38.6度！？ だから言ったやん！｣
いつも我慢ばっかして。
正直に言えっつーの。
健人はもうすぐリレー出るなんて言えば、すぐ
｢見たい｣ なんて潤んだ目で見上げてきて。
ほんまにこいつは、
無意識でやってるんだから１番タチが悪い。
その辺の女みたいに計算しまくってみろや。
けど俺はそんなAが可愛くて
大切で仕方ない。
もう早く認めろってな。
｢しゃーない、ちょっとな｣
｢…！｣
リレーを見ることを許したとたんにこの顔。
ほんまずるい。
分かってるよ。
俺のこんな気持ち、無意味だって。
やけどさぁ。認めたくないねん、分かる？
Aは、本気で大切で大切な存在やから。
この関係を壊したくない。
｢…やばい｣
２回目に倒れる直前に、Aが呟いた言葉。
その顔はあまりにも赤くて、その
｢…はあ、ほんまムカつく｣
蘇ったのは、１度目に倒れたAを
迷いなく姫抱っこした健人の姿。
｢…倒れたお前が悪いからな｣
華奢な身体を支えた俺の腕を
そのまま肩と膝裏にまわして持ち上げた。
Aが倒れたのをいいことに、ささやかに健人に張り合ったってことはヒミツ。
俺はどれだけ、こいつに翻弄させられたら
気が済むんだろう。
｢…泥舟に乗るのも、悪くないかもな｣
だから俺、結構真剣な顔したんやで。
｢じゃあもし健人に振られたら、
そん時は、俺んとこ来いよ？｣
そしたら案の定、優しいねなんて礼言って。
あ──あ。最後まで気づかんかったな。
｢A
頑張れ｣
だからって俺の泥舟も簡単には沈まへんから。
隙あらば奪いに行くから、覚悟しとけよ？
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ゆ(プロフ) - ☆さん» わざわざご指摘ありがとうございます＾＾ 編集しておきました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
☆ - パート1→2ヶ所、パート2→2ヶ所間違い指摘したので直してもらえたら嬉しいです (2019年6月30日 13時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - ゆ な のさん» 謝らなくて大丈夫ですよ(* ´ ▽ ` *)ゆなのさんの支えに慣れて光栄です！(〃^ー^〃) (2018年3月13日 10時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - 黒髪の白雪姫さん» お待たせしてすいません( / _ ; ) いつもありがとうございます！とっても支えになります(;_;) これからもよろしくお願いします！ (2018年3月4日 19時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます(;_;) そこまで褒めいただいて光栄です(>_<) こちらこそありがとうございました！！これからも是非よろしくお願いします。 (2018年3月4日 19時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆ な の | 作成日時：2017年12月20日 22時
