１１【K】 ページ12
健人side.
.
自分で言うのもなんだけど、昔から俺は
よくモテる。
笑顔で話しかければすごく喜んで、
ちょっと優しくすれば、簡単に俺のことを
好きになる女の子たち。
今まで告られた回数なんて数えきれない。
だから、初めてだったんだ。
女の子の落し物を拾ってあげたのに、ほとんど
喋らず簡単に背を向けられたことなんて。
だいたいの女の子は、俺がああやって落し物を
拾ったりすれば、すぐに名前を聞かれるし、
その後もなかなか俺から離れようとしない。
めずらしいな、あんな女の子。
今度会えたら、ちょっと話しかけてみよう。
なんて思っていると、
すぐにその時はやってきた。
教室に入ると目に入った、あの
キーホルダーの女の子。
同じクラスか。
お、しかも席隣？
これはラッキーと思った俺は、すぐ君に
話しかけた。
｢あ、さっきの子だ｣
さて、少しは照れたりするかな、
って思ってたのに。
こっちを向いた君は、あんまり···ていうか
全然、嬉しそうな顔をしなかった。
え、なんでなんで。
それでも負けじともう１度話しかける。
｢よろしくね｣
この笑顔でどうだ、と 笑ってみせると。
君はすごくよそよそしく、
よろしくお願いします と返した。
───おかしい。
普通なら、この笑顔を見せたら女の子は
真っ赤な顔をするのに。
そのあともいろいろ、女の子が喜ぶようなことを
言ってみても、ずっとよそよそしそうにしてる
Aちゃん。
なんでだ？
俺なんかしたっけ？
いやいや、まさか。
もしかして、男子に慣れてないのかな？
会話でもそんなこと言ってたし。
俺がいろいろ考えていると、Aちゃんは
突然、通路を挟んだ隣の男子に話しかけた。
｢廉っ｣
あ、俺この人知ってる。
永瀬廉、だ。
すごいイケメンってことで有名の。
噂通り、すごい整った顔してる···。
って、あれ、Aちゃん男子に慣れてないん
じゃないの？
普通に、イケメン永瀬くんに話しかけてる。
···なにそれ。
────このとき俺は、今までなったことの
ない、初めての気持ちになった。
なんで、俺にはあんなに引き気味なのに、
永瀬くんには普通なの？
『廉』なんて。
男子を下の名前で呼ぶの苦手だったんじゃ
ないの？
なんで俺には、そんな簡単に背を向けるの？
そんな俺の気持ちになんて気づかない君は、
永瀬くんを引っ張って、教室を出ていった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「中島健人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆ - 22【以外にも近かったことに気づく】→意外にも、 31【どういたまして】→どういたしまして だと思います。 (2019年6月30日 13時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - suzuさん» ありがとうございます(;o;)！！ そう思っていただけると本当に嬉しいです(；///；) 頑張ります！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年3月18日 21時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
suzu(プロフ) - この作品大好きです！！更新頑張ってください！応援してます（☆ω☆*） (2017年3月18日 21時) (レス) id: f4e48bdb80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます(;o;)！遅くなってしまってすみませんでしたm(｡>__<｡)m (2017年2月27日 19時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 大量更新嬉しかったです（≧∇≦） (2017年2月24日 23時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆ な の | 作成日時：2016年12月14日 21時
