よ く ば り

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俺は耐えきれず、Aを抱きしめた。


でもそれは決して、Aが振り解けない程の強さでは無かった。
君は抵抗せずに、でも受け入れる訳でもなく、ただ俺の中に収まっていた。














＿＿＿＿＿＿A、俺から早く解放されて


















おまじないのように、心で唱えては消してを繰り返していた。












気がつくと、彼女は俺の腕から簡単に逃れ涙を拭って、俺と目を合わせる。














『くだんない』



いふ「…うん」







この2年間、俺にとってはかけがえのない日々だった。
君との思い出は1日たりとも忘れたことはない。








『優しくして、期待させないで。』



いふ「うん、ごめんね。」









俺は、大人なようで大人になりきれてない無力で、貪欲で

浅はかな人間。












『…もう、二度と会わない。』



いふ「うん。」











この、最低な夜




今日きみに別れを告げた。













『さよなら元気でね』













視界が揺らぎ、目頭が熱い。
手足は、ありえないほど冷たいのに。


目に映るコンクリートの道には、無数の黒いしみ。





俺、泣いてんだ………。








前を向けば、暗闇に遠ざかる君の小さな背中。


いつの間にか動いていた身体は、君の小さな口と重なり合わせていた。

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