キョロンハジャ！

サー ページ4

「たらいまー」

「おかえりー」

朝帰り常連の、フイヒョンがフラフラと入って来た。

「お疲れさま。コーヒー飲む？」

「お願いしゃーす…ん？」

どさっとイスに座ったフイヒョンが、Aを見つけた。

「なにこのかわいこちゃん、誰の彼女？」

「俺のいとこです」

「〈待って顔めっちゃタイプ…〉」

「〈まじ気ぃ多過ぎ〉」

「名前は？」

「A」

「A？俺はフイーよろしくー」

「〈よろしくーって。名前はフイ〉」

「〈ふい？可愛い〜！彼女いる？〉」

「〈もう自分で聞いて？ヨジャチングイッソヨ(彼女いますか)？って〉」

「〈ヨジャチングイッソヨ？〉」

「ネーマニマニイッソヨ(ええたくさんいますよ)」

「〈ブッ！すんげーいるってさ〉」

「〈ガーン…ヨジャチングイッソヨ？〉」

今度はイェナニヒョンに。

「オプソヨ(いません)」

「〈いないって〉」

「〈よし〉」

小さくガッツポーズ。

なんなのこの子…。

「いくつなの？」

「俺とタメ」

「旅行先で彼氏探してんの？」

「さあ。何しに来たのかさっぱり…」

「俺立候補しちゃおっかなー」

飯にがっついてるAを見ながらホンソギヒョンが笑う。

うまそうに食べる子が好みとか？

「おはようございまーす」

「おはよー」

ヒョングの登場。

「？、アンニョンハセヨー」

Aに気付いて挨拶したら

「〈あ。あにょはせよー〉」

そう返したAに周りの男達は目を細めた。

「キヨウォ(かわいい)〜」

「カタコトって可愛いよね〜」

「誰？」

「俺のいとこのA。日本人」

「Aさん？〈ボクハ、カンヒョングデス〉」

「〈すごい、日本語話せるんだ〉」

「〈ハイ、ハナシマス〉」

「〈結構勉強してるから、例の質問も日本語で通じるかもよ？〉」

「〈ふーん、すごーい〉」

「〈…え？終わり？〉」

「〈ん？何が？〉」

…どうやらヒョングに興味はないらしい。(哀)

「〈ナンサイデスカ？〉」

「〈祐人と一緒です〉」

「〈オ〜！ボクモイッショデス〉」

「〈へーそうなんだ！イェーイ！〉」

Aが片手を上げて、ヒョングとハイタッチ。

「〈ボクハダンサーデ、ステージネームハ、キノ〉」

「〈あ、芸名はキノ？可愛い！キノちゃんね〉」

「〈ボクハダンススクールモ、オシエル〉」

「〈あ〜先生なんだ。すごーい〉」

「〈ボクハ〜ダンスウマクテ、ウタモウマクテ、フリツケモツクル〉」

「〈へ〜すごーいてかすげー喋るねキノちゃん〉」

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