キョロンハジャ！

イシプク ページ29

「〈…ジノオッパぁ〜キョロネジュセヨぉ〜♡〉」

「〈離れろ〉ヒョンイロワ(こっち来て)」

「〈祐人〜お願いっジノたんをください！〉」

「〈お願い日本に帰ってください〉」

ちくしょう祐人め〜！

カラオケからの帰り道、ジノたんをしっかり抱いて歩いてる祐人を恨めしく睨む。

「〈歌上手い人と結婚して子供を歌手にするの〜！〉」

「〈知るかよ…つか上手い人他にもいるじゃんホラ〉」

「〈ダメ、完全にジノたんに惚れた〉」

「〈あっそう。じゃ明日飛行機取っとくから〉」

スマホを出す祐人、その隙にジノたんの腕を引っ張ったら

「あ〜ユト〜」

祐人にしがみついて離れないジノたん。

クソッでも死ぬほど可愛いちくしょう！

「〈…ほらね？〉」

祐人の勝ち誇った顔、ムカつく〜！

「〈てかお前後ろ見て〉」

振り返って見たら、冷ややかな視線が方々から刺さった。

「〈ボクウマイヨ、ナンデジノヒョンダケ？〉」

「〈もちろんキノちゃんも上手かった！ホンソクオッパも最高だったしうーたんも超かっこ良かったよ〉」

「〈ボクイチバンデショ？〉

「〈ゴメン一番はやっぱジノたん…〉

キノちゃんは思いっきり膨れっ面。

だってしょうがないじゃん、ギャップに死んだんだもん。

家に着いたら、シノニオッパが食堂でひとりパン食べてた。

「ヤーオディエカッソッソ(どこ行ってた)？」

「ノレバン(カラオケ)〜」

「アイゴーノムへ(ひどい)チャンバビヤ(仲間外れだ)」

なんか拗ねてる？

みんな笑いながらシノニオッパを囲んで座った。

「ゲイムテフェハルッカ(ゲーム大会する)？」

「アニ、スルマシジャ(酒飲もう)、Aヤ」

今私の名前が聞こえたような。

と思ったらシノニオッパは確実に私を見てた。

「〈…私？が、なに？〉」

「クロムマシジャウリ(じゃあみんなで飲もう)！」

急いでスマホを出して翻訳アプリを開いた。

「ナムジャピリョオプソ(野郎はいらない)ヨジャガチョア(女がいい)」

「ヤーㅋウェイレ(どうしたんだよ)〜」

「オヌルシルニリイッソソ(今日嫌な事があって)…」

しゅーんと俯いてるシノニオッパ、なんか可哀想…。

側に行ってその背中をさすってあげた。

「〈ケンチャナヨ？〉」

「Aヤ〜」

私の腰に抱きついてきた、その途端

「ヤーヤー！」

「ットロジョラ(離れろ)〜！」

シノニオッパを私から剥がそうとする男達！

わ〜楽しい〜♡w

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