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北斗side
授業が始まれば、子どもが好きそうな可愛らしいキャラクターのボールペンを持ちながらスラスラと書かれる文字は達筆で
白い腕から伸びたその指は細くて長くて
きちんと手入れされた透明の綺麗な爪がよく似合っていた。
授業が終わるなり
「Aちゃん！これコピーして！」
そう慎太郎に頼まれて印刷室に小さな背中が消えて5分。
ようやく帰ってきたかと思えば手は真っ黒なだけでなく顔も真っ黒。
何をどうしたらこうなるのだろうか。
「AHAHAHAHA!!! Aちゃん顔にインクついてるよ！」
ジェシーが狭い教室中に響き渡る声で彼女を指さして笑うと慌てたようにポケットのハンカチを探し始める彼女。
「ほら、こっち向いて笑」
そう言って横からハンカチを出して彼女の顔を拭きだした、この前の笑顔先生。
はたから見たらただイチャイチャしてるようにしか見えねぇ。
「Aちゃんとコーチは、デキてるって噂だべ」
俺がその様子を見ていたからか、タイミングよく横からそうこっそりそう教えてきた樹。
なるほど、ね。
別に俺には関係ないことなのに、少し気分が下がったのは彼女の瞳があまりにも綺麗すぎたせいだ。
少し不器用なところを愛おしく見えたなんて、
__気の所為だ。
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作者名：Yuga | 作成日時：2019年6月23日 19時
