オレってそんなにガキですか？ (ページ5)

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北斗side

塾なんて行かなくても成績はある程度取れているし、
親に金を払わせてまで行きたいなんて思わなかったから正直ダルかった。

でももう中3ということもあり、さすがに周りをみれば塾に行かない人は少数派で、

それを心配した両親によって俺の意思とは反対に無理やり入塾させられていた。

家から5分とちょっと歩けば着くこのこじんまりとした小汚い塾は、
オレと普段つるんでる慎太郎達4人組も通っているらしいので、その点に関しては小さな俺の喜びではあった。

初めての授業はひたすら笑顔の若い男の先生で、

オレを笑かそうとしてるのかちょいちょいジョークを挟んでくるけど面白みがよく分からない。

そんなに人と絡むのが好きではない俺は、またあの笑顔先生のジョークをどう受け流していいのか分からず２回目の今日の塾も非常に足取りが重かった。

でもどれだけゆっくり行こうとしようがあまりにも近すぎるこの塾は直ぐについてしまって
中に入るなり慎太郎達4人が俺を取り囲む。

迎え入れてくれるのはいいが入口ではなく中に移動したいと思う言葉は飲み込む。

すると長身なジェシーの頭の向こうに小さくて華奢な人影が見えた。

樹がその人に声をかければ俺に挨拶をしてくる女の人。

どこか澄んでいる瞳を持った彼女が俺を見て微笑むその笑顔に、素直に綺麗だと思わず見とれて、

何か喋りかけられた気がしたけれどそれどころじゃなかった。

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