オレってそんなにガキですか？ (ページ2)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:37,079 hit

#2 ページ2

.

『こらー、また喋ってばっかで勉強してないじゃん～』

慎太郎「違うよ、わからない所を教えて貰ってただけ！」

ジェシー「そうそう、樹のモンスター何レベなのか教えて貰ってただけ～！」

樹「バカかお前ゲームの話ってバレんだろ！！」

私が注意するとジェシーくん、田中樹くん、森本慎太郎くんがまたギャーギャー騒ぎ出す。

『大我くん、携帯は没収ね』

3人がギャーギャー言い合っている傍らで、堂々となんかよくわかんない変な体勢で携帯をいじっている京本大我くんに向かって言う。

この4人は、うちの塾の中3生悪ガキ軍団。

悪ガキって言うのは、ヤンキーとかそういう意味じゃなくて、ほんとに''ガキ''って感じで

塾に勉強をしに来ていると言うより遊びに来ているというか、、、

本当にここを勉強するところだと認識しているのか？と呆れるけれど、ギャーギャー騒ぎながら本当に彼らは毎日楽しそうで。

正直、私もこんなキラキラした毎日だった中３に戻りたい、と羨ましく思う時もある。

大我「あ～携帯取られた～！｣

慎太郎「Aちゃんって可愛い顔してるのにホントそういうとこキビシイよな～あ」

樹「ホントにな、コーチだったら俺らが適当にはぐらかしたらすぐ騙されてどっかいくもんな～笑」

携帯を取り上げたことに対してブツブツとそんな会話が私の背中越しに聞こえてきたけれど、
全部無視して講師室に入った。

可愛い教え子たちが勉強をするためには厳しくするのもひとつの愛だと思っている。

あ、樹くんが言っていたコーチと言うのは私と同い年で同期の髙地優吾くんで、生徒からもいじられキャラでとても愛されている先生のこと。

講師室に入るとちょうどタイミングよく髙地くんがいた。

ただでさえ小さな塾の端に位置する、ほんとに小さなスペースで区切られた講師室。

ぎゅうぎゅうにソファが2つ向かい合わせに置いてあり、その間に小さなテーブルがちょこんとある。

そこは生徒立ち入り禁止の、講師たちの休憩スペースのようなもの。

そんな小さな講師室の端っこに丸まって携帯をいじっていた髙地くんが顔を上げる。

｢あ、おつかれ～」

『お疲れさま』

いつものように愛くるしい笑顔を見せる髙地くんにつられて私も笑顔で返した。

.