日和姫計画が失敗！？ ページ4
パンDのスマホに《計画は完全に失敗》という文字が送られてくる。
彼はその文字を見て恍惚とした表情を浮かべた。
「そうこなくちゃ…まだまだ…私は遊び足りないよ…完全に失敗かどうかは私が決めることだ…逃がしはしない…今は逃げた気になっているだけだ…」
彼が育てた可愛い子たちの写真を彼は指で撫でながら「はやく、戻っておいで…」とある一人の青年の顔だけ、爪を立てて削り出す。
「パン氏、久しぶりだね」
「えぇ、お久しぶりです」
「落ちぶれたとはっきり言っていいんだよ」
「…まだあなたは私にとって恐い人ですよ」
「お世辞がうまいね」
「いえ、あなたのロジックは今でも健在です」
「俺の恐怖政治がかい？ 俺も君のロジックを先に思いついていたらまだ俺の王国は健在だったのに…」
「それはどうでしょうか？ まだまだあなたのつくり上げた一番に可愛がっていたあの子はあなたの檻の中であなたの血と肉になっていますよ…忠実に…本当にあの子は忠誠心が堅いな…私もあの子のような忠誠心が堅い子がほしいんです…あの子はいい……」
「俺の檻から逃げて行った子たちを見たら今の生活に慣れてしまったあの子には恐怖しか感じないように俺が手塩にかけて育てたからね」
「欲を満たしてやればいいわけではなく、いいタイミングで彼にとっての地獄を見せる…あなたから教わったことです」
「なるほど…だからこそのあのロジックか…」
「あなたがいなければ俺も辿り着くことのなかった王国が築けたことを感謝しています」
「俺の時代といってはなんだけどね…ライバルは腐るほどいたから…まだ君も気を抜くなよ…王道を行くあいつとかね…まぁ、俺は今からまた立て直しを図らなければならないけど…」
「ご謙遜ですね…今はうちにその座を譲っていますが、女性アイドルではあの頃よりも頭飛び抜けて先頭を切っているといっても過言ではないでしょう」
「あぁ…思いの外、保険で続けていたあの子たちがうまくいったね…可愛がっているあの子に二人目の俺の檻から離れられない理由もつくってくれたし、そうそう、君の言っていた王道のあいつの可愛い子にも傷をつけてくれたね…」
「ふふっ…王道のあの方は少し痛いめを見ないといけませんから…」
「あぁ…だから…君の可愛い子と仲良くさせてるのかい？」
「ふふっ…あの子はあなたの可愛い子に匹敵する逸材です。私はあの子があなたのあの子のように忠誠心を揺るぎないものに追い込んでみせますよ」
日和姫計画、再始動の合図！？→←日和姫が帰ってきた！？ ��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：jade13 | 作成日時：2022年10月31日 0時
