日和姫が帰ってきた！？ �� ページ3
あいつが出て行ったのを確認してあの方がこっちに駆け寄って隠し部屋のドアを開いた。
「…大丈夫？ 何か言われた？」
俺は思いの外ショックを受けなかったから慌てて駆け寄ってくれたあの方の行動の方にびっくりした。
「…だ、大丈夫です」
「…怒りで混乱していたからね…恐ろしかっただろ？」
「…はい、かなり変でした…」
「それがあいつの正体だよ…君は、はやく気づけてよかった」
「はい…これ以上まともじゃない奴とは関わりたくないんで…」
「…あぁ、あいつ以外に君を付け狙っていたあの子かい？」
「はい…」
「…大丈夫だよ、君が心配するような相手じゃないさ…君は目が覚めただろ？ 何を言われたところで揺らぐことはない…違う？」
「はい…もう懲り懲りなんで…」
「…アレだけの痛手を負ったからね…そう悟るのが普通の人間の心理というものだよ まともじゃない相手に煩わされた時間すらも勿体ないと思うだろ？ もう大丈夫だ…君はもう誰にも煩わされることはないよ」
「これからは自分のことだけ考えて生きます。」
「そうするといい…決して自分の考えを彼らに乗っ取られてはならないよ…さっきの醜い彼の顔をしっかりと目に焼き付けておくといい…」
「…はい」
幾度も自分が信じた恋人に裏切られてきた彼が俺に知恵を与えてくれた。
あいつの言っている言葉は全てマヤカシだと…
俺を思うがままに動かして得られるものを貪って悦に浸るエゴイスト…
俺を動かすことでどれだけのものを得ることができたのか知らないがこれからは真っ逆さまに落ちていく。
落ちぶれていく姿を近くで見ていられると思うと嬉しさで震える…
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作者名：jade13 | 作成日時：2022年10月31日 0時
