苦い毒を。 (ページ17)

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今にでも飛び掛りそうな恭平を止めて

2人の間に入る、

「 A、寝てんとちゃうん？」

って駿佑が呟く。

「駿佑今はそんな事言ってる場合やないやろ… 」

状況が上手く飲み込めない、それしか言えなくて

「 A 、俺と結婚すんねん。右手の薬指にも婚約指輪あるやろ？ Aには俺しかおらへんよ？ … あの日声掛けへんかったらずっとどん底に居たくせに！」

って駿佑が声を荒らげると咄嗟にビクッと体が動いてしまう。

「 … 確かにあの時救ってくれたのは駿佑やで、分かってる。立ち聞きする前までは駿佑しかおらんと思った。 …でも」

と、続ける私に駿佑は

「何が不満やねん？Aがずっと恭平想ってた事なんて分かっとるよ、それを飲み込んできたんやん。」

駿佑の言ってる事は理解出来る。

あの日声を掛けられなかったら、私は動けなかったから。

「でもそういう風に仕向けたんは駿佑やろ？」

って、やっと恭平が口を開く。

「恭平本間うざいねん、お前とA再会させてやったん俺やで？ … 今更出てくんなよ、全部上手くいくつもりやったのに」

「 … 駿佑」

「駿佑の事大好きだけど、わたし …これ以上は」

" 付き合いきれない " 、と口にしようとすると

駿佑から何かされる前に私は恭平の腕の中に居た。

突然の出来事で、恭平も咄嗟に私の事を庇って

「 … 恭平！！」

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俺はもう Aを失いたくないし

ずっとAのもんでええんよ。

もし仮に駿佑と別れて俺と戻らんくても

俺はずっとそれがええ。

嫌いにさせて欲しかったけど

俺が忘れるなんて無理やったし

咄嗟に Aを守って、Aも声を荒らげて。

そない大きな声で呼ばんくても届いてるって。

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