苦い毒を。 (ページ16)

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「恭平、何してんの？」

「散歩やん、散歩、駿佑は？」

「 … Aどうしてるかなあって、来ただけやで？」

あかん俺なんも武器持っとらん。

いやでもまさかそんな流石に襲われるなんて無いやろ

「恭平はAの事忘れられへんの？」

駿佑が、俺にそう言うから

「 … 忘れられへん。あんなに人を好きになったのもAだけやし、あんなに深く愛せたのも… 俺には後にも先にもあいつしか居らん。」

そう告げると、駿佑はやっと笑って

不敵な笑みを浮かべながら

「そんな事言っといて、簡単に別れたやん… 今更おかしいやろ？」

「恭平の母親精神病やったっけ？突くの簡単やったわ。俺が手紙送ってやったんよ、Aの父親なんて誰か分からへん、Aの母親は不倫ばっかしてる体裁の悪い奴って。」

怒りで手が震えるのが分かった。

でもここで煽りを受けるのは違う、冷静に …

「駿佑もう辞めろ、お前何がしたいねん … 」

「俺はAが一生俺のもんで居てくれるなら手段は選ばへん。」

3年前のあの日に Aを選ばなかった俺が悪いんか？

母親もAも、俺にとってはどっちも大切やねん …

「俺に縛る物は何も無いから、恭平くんは大変ですねぇ〜」

ってまた、不気味な笑い方をする駿佑。

ついに俺は、駿佑の胸ぐらを掴んで

手を出す寸前、

「やめてっ、恭平！」

「 …A 」

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連絡あったのに、恭平が遅い。

仕方なく自ら近くの公園へ足を運ぶと

見慣れた影が2人。

「 Aの父親なんて誰か分からへん、Aの母親は不倫ばっかしてる体裁の悪い奴って。」

… 駿佑の声。

駿佑が、 … 駿佑がそんな事を言ってるの？

目に涙を溜めながら、聞いてると

恭平が今にでも飛び掛りそうで

止めることしか … 、出来なくて。

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