苦い毒を。 (ページ11)

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パラ、パラとAとの思い出を捲る。

用事なんか無かったし、もうあの場から逃げ出したくて

Aは駿佑と結婚する

もうそれだけで終わりやんか。

文化祭、楽しかったなあ。俺お化け役やって

Aん事、めっちゃ驚かして怒られて

「 …ん、？」

1枚の写真。俺とAと、駿佑？

駿佑は確か、違う学校やったよな。

俺出会ったのも高校卒業してからやし。

はて？と、思うが高校が特別遠いわけじゃない

Aと駿佑の知らない所で

2人の運命は交差してたんかも。

コンコン、と部屋のドアが叩かれる。

「恭平、ご飯」

「あ、うん直ぐ行くよ」

母親だった。急いでアルバムをしまおうとすると

「 … あんたまたこの子の写真見てんの？」

って怪訝そうな顔で

「いい加減他に良い人作りなさい」

A以外で居るわけないやんか、って喉まで出かけたけど

過去、Aを連れて誰も知らない所へ行くと言うと

過呼吸になるくらい、母親は弱った。

「ごめんな、」

としか、言えない。

母親にも、Aにも。

Aと俺の母親は仲良かったはずやのに

どこで歯車が狂ったんやろうか？

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「そういえばさっきアルバム見てた？｣

… って駿佑が聞いてくる。

「偶然落ちちゃって、そんなまじまじと見とらんよ？、」

「隠さんでええのに、」

微笑む駿佑だけど、少し寂しそうで

耐えきれず私から駿佑に触れるだけのキスをした。

… それが合図だったかも、しれない。

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