決意 ページ44
「おかえりー」
硝子姉さんは先に寮に帰っていたみたいで、僕らを迎えてくれる。
「なんかA疲れてない?」
「うん、疲れた」
「神に意識乗っ取られたりしてたからなー、それでだろ」
「あー、それはお疲れ。私が風呂、沸かしといてやったから、すぐ入ってきな。」
「はーい」
そんなこんなで、お風呂から上がると、疲れがさらに出てきたのか、余計眠たくなる。
ウトウトしながら、パジャマを着て、歯を磨く。
動作ひとつひとつするのも眠気との戦いで、髪を乾かそうとドライヤーを持って座ったところでついに敗北した。
しばらくすると、ドライヤーの凄い音で目が覚める。
見上げると、傑兄さんが僕の後ろに居て、髪を乾かしてくれていた。
「あ、起きた?」
「傑兄さん、ありがと」
モゴモゴ言ったが、伝わったようで、お安い御用だよと返してくれる。
「明日から、Aは訓練始まるし、髪乾かしたらもう寝なよー」
「訓練?」
頭が回らないなかで、初めて言われた言葉だなと理解した。
「力の制御できるように私と悟で明日から体術とか、呪力操作の練習するんだよ」
だんだん頭が冴え渡ってきて、言葉のちゃんとした意味を理解しだす。
傑兄さんが笑みを浮かべてこちらを見ていて、手加減しないよ?というような圧をかけてきていた。
「えー!聞いてないよー」
「フフ、明日から一緒に私たちと頑張ろうね、A」
「絶対、これ鬼だ」
髪も乾いて、傑兄さんにお礼を言うと、ぶつぶつ文句を言いながら、自分の部屋に向かう。
明日のことを考えると悪寒がしたが、同時に2人の横に立てるぐらい強くなれるように頑張ろうと布団を被って密かに決意した。
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作者名:高菜明太子 | 作成日時:2022年9月17日 21時