同情 ページ41
「そんなこと言ったって、良くも悪くも普通だったんだよ、Aの血筋は。だから、なんの基準なのかよく分かんねぇよ。」
神はAが影響力のある人間だとかなんとか言ってるが、家の奴らにに血筋を調べさせても、祖母が西洋出身で、親戚を頼って日本に来たというような情報以外は、特に至って普通だった。
「うーん、そんなこと言っても僕に適性がある人間の中で1番、念というか、他人からの想いが集まってたから、影響力のある人間、もしくは多くの人間が関わってるものだと思ってたんだけど…」
「それに間違いはねぇのかよ」
「神である僕の力を舐めないでほしいな。感じた念の大きさに間違いはない。シラガもなかなか大きいけど、それよりもっとだよ。」
「大体、お前の信者ならもっと情報があるだろ」
「そうなんだけどさー、最近、鈍くなってきてるのかわかんないけど、なぜか情報を上手く取得できないんだよねー。歳かな」
「知るか、そんなもん」
しばらく2人で議論(ほとんど口喧嘩)をしていると、
「三人寄ればなんとやらって人間は昔から言ってたよね、1人増やそう」
そう言って、あいつは傑の方に歩いて行き、体に触れると
傑の体が一瞬だけビクッと震えて、ゆっくりと目を開ける。
「う、なんで私は寝て…。悟、どういう状況だい?A…ではないようだけど」
それから、傑に今までのことを大雑把に話すと、流石に同情したのか長いため息の後、お疲れと声をかけられた。
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作者名:高菜明太子 | 作成日時:2022年9月17日 21時