対立 ページ36
五条side
くそだりぃ、なんで俺があのクソ野郎の聖書とか読まなきゃなんねえんだよ
しかも、隣の前髪は真面目にやってるし
あー、全然反応ねえじゃん
悪態をつきながら、渋々言われた通りにしていると、腰あたりに何かぶつかる。
「お、おい！大丈夫かよ」
見てみると、眠ってしまったのかAがもたれかかってきていた。
「んったく、お前の用事だろーが」
渋々椅子に寝かせてやろうとすると、異様な力を感じる。あの時と同じ。
「傑！おい、こいつおかしいぞ。…って聞いてんのかよ！おい！」
呼びかけても返事がない。おかしいと思って振り向くと傑が倒れていた。
「っくそが」
傑の元に向かうと、意識がないだけで他に異変はなかった。
「っあー、やっときたね。遅すぎるよ、君たち。」
伸びをしながらそう言うのは、Aの皮を被った神だった。
「急いで来たんだから別にいいだろ？」
「良くないよ、僕を待たせたんだ、それなりに覚悟はしてるよね？」
呪力が高まり、互いに戦闘態勢に入る。
(俺だけだったらよかったが、傑を庇いつつってなると正直、厳しいな)
そう思っていると、急に相手の呪力が消えた。
「やめたやめた、気分じゃない。まぁ、今回は社会における規律ではなく、僕たちの間だけの約束ってことだからね。戦うのはやめにしよう。」
「そりゃ、どーも」
「うーん、まぁでもそれなりの代価は貰わないとね」
「代価ってなんだよ」
「じゃあ、精一杯の譲歩をして、君らのとこに面白い人材がいただろ？誰だっけ…。そうそう、家入硝子？だったかな…。あれをくれない？面白い魂だからさ、次、どんなふうに生まれ変わるのか気になってさ」
「あ゛？ふざけてんのかテメェ？そんなことで硝子をはい、そうですかって渡すわけねぇだろ」
「えー、ダメ？でも、君たちが先に約束を破ったんだから、その代価は必要でしょ？」
「ざけんな。だいたい、お前規律を司ってるんならそんなホイホイ勝手にしていいのかよ」
「規律って言っても、僕が指針だし。何事にも例外っていうのはつきものさ！」
「どいつもこいつも、力を持ったやつってのは自分の都合で他人の命を弄ぶような、クズしかいねぇのかよ」
「えぇ、譲歩してるつもりなんだけどな。じゃあ、なんならいいのさ」
「まかしとけ、とっておきを用意してやるよ」
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作者名：高菜明太子 | 作成日時：2022年9月17日 21時
