ゼラニウム tk×in (ページ16)

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そのあと薮先生は職員室にいった

だから高木と二人きり

てかなんで高木は帰らないんだ？

訳がわからなくてベットに戻ろうとしたとき

「伊野尾くん、昨日はありがとう

　お礼....したいんだけどなにがいい？」

お礼？

なんでそんなこと

俺になんかそんなのしなくていいのに.....

でもニコニコしてこっちを見てくるから断れなくて

「なら、勉強教えて.... 」

ひかえめに言った

「べっ勉強？」

なんか露骨に嫌そうな顔をされて、なんでもいいってゆったじゃんっと思ってたら

「俺さ、勉強できないんだよ」

スポーツしかやってこなかったなんて言って笑って返された

それ以外にお礼なんて思いつかなくてこれから高木が授業のプリントとかを持ってきてくれる約束をした

「伊野尾くんはいつもここにいるの？」

「うん」

前と質問が少し違う

「なら水曜日と金曜日にまとめて持ってくるね！」

「ありがとう」
　

そうやって大きく手をふりながら帰っていった

高木はいいやつだ

前に話しかけられた人とは違う安心感があるから手は相変わらず少し震えてるけど話せている

薮先生が言っていた全てを話せる友達に高木とならなりたいと少し思った

高木なら俺の汚れた部分も受け止めてくれるかも知れない

でも現実はそんなに甘くない

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