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後日談 弐 ページ9





山の端まで降りて、客人を待つ。

しばらくすると、夜の闇の向こうから二人の男女の姿が見える。

「Aっ!久しぶりね」

「二人ともまた大人になったか?」

ストンと着地してニコッと笑う彼女と、遠慮なしにガシガシとわたしと累の頭を撫でる彼。

ちなみに累は嫌そうなら顔を隠し切れてない。

まあ、隠す気もないと思うけど。

「堕姫姉、ほんと久しぶり。妓夫兄、鬼に子供も大人もないのよ?」

「そうだよ。姉さんの言う通りだ。」

相変わらずね、と笑う堕姫姉と、累もちっとは懐かないものか、と困った顔をする妓夫兄。

彼等はわたしや累より遥かに強い上弦の陸。

堕姫姉はいつも遊びに連れて行ってくれるし、妓夫兄はわたしと累をより強くしようと様々なことを教えてくれる。

「Aは本当に綺麗な顔立ちをしてるわ。髪だってサラサラ。」

「堕姫姉に誉められたくて少し気にするようにしたの」

「可愛いこといってくれるじゃないの」

嬉しそうに笑う堕姫姉に軽く抱き締められ、仄かに甘い香の匂いと冷たい鉄の匂いが鼻を擽る。

そこに淡い藤の匂いが混じってることに気付く。

「堕姫姉、藤の花の匂いだ。」

たぶん、潜入されてる。

「…そう。わかった、ありがとう。気をつけるわ」

「Aは五感がするどいからなぁ。お前等も気をつけろよ」

そろそろ行かなきゃ怪しまれちゃうから、と去っていく二人を見送る。

「姉さん、戻るよ」

「そうね。行きましょうか、累」




後日届いた電報には、潜入者を捕らえた報告と忠告への感謝が書かれていた。

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わらび@修行中(プロフ) - AYAさん» コメントありがとうございます!遊郭編ですか…前向きに考えてみます~! (2021年10月7日 17時) (レス) @page7 id: 282917b86f (このIDを非表示/違反報告)
AYA - 凄く面白かったです!  遊郭編も描いて欲しいです! (2021年10月6日 18時) (レス) @page9 id: 23da1d9ffa (このIDを非表示/違反報告)
わらび@修行中(プロフ) - 莉亜さん» わぁ~!ありがとうございます!!書きます!!全力で書かせていただきます!! (2020年11月15日 21時) (レス) id: 282917b86f (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - 完結おめでとうございます!この後の後日編?みたいな感じ見てみたいです!もしよろしければお願いします (2020年11月15日 19時) (レス) id: f021d660fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび | 作成日時:2020年10月29日 19時

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