束縛、幼馴染、ymn ページ6
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そよ風を頬に感じながらもう二年目になった通学路を歩く。
空を舞う桜の花びらに想いを馳せていると、後ろから抱きつかれる衝撃に襲われた。
「A〜!おはようございます!」
「シュウ、おはよう。離れてくれる?ウザったいんだけど。」
「もう、Aってばアレなんですか?ツンデレでしたっけ?」
「都合良く解釈しないでもらえる?」
えぇ〜っと一切反省の色が見えない声音で言いながら楽しそうにニコニコ笑うコイツは闇ノシュウ。
幼稚園の頃によくある「大きくなったら結婚しよーね!」の約束を私と交わしたと主張する自称婚約者の幼馴染…いや、ただの腐れ縁だ。
実は私は4〜6歳の約二年間をアメリカで過ごした帰国子女で、シュウはその時に出会った…らしい。
シュウの母親が作ったパイをシュウと食べた記憶だったりはかろうじて残っているが、食関連以外の記憶はないに等しい。
食べ物ってすごいね。
ちなみにシュウは現在親の仕事の都合で日本に来ている。
日本語ペラペラなのは「Aとの結婚生活に必要でしょう?」という理由らしい。
そんな未来はないが。
「ちょっと、聞いてるんですか?」
「あーうん、聞いてるよ。あれでしょ?昨日消しゴムにヒビが入っちゃったから使いにくいって話でしょ?天罰だよ、ザマァ。」
「全然違いますけど?体育祭のハチマキは僕にくださいね、って話ですよ。」
「あー、普通に友達との先約がある。」
そういや昨日、友達もそんな話をしていたなぁ、と思い出しながらそう答えるとむっとシュウが険しい顔をした。
「なんで僕じゃないんですか?」
あたかも自分がハチマキをもらうのが当たり前であると言わんばかりのシュウに軽くチョップをして先に行く。
すぐに後ろから追いついたシュウが不満を漏らす。
「どうせ去年もそのお友達と交換したんじゃないですか?」
「あたり。別にいいでしょ?約束は約束。」
「じゃあ僕らの婚約も有効ですよね。」
「ごめんだけどマジで覚えてない。」
不貞腐れたシュウがもういいです、と口を閉じた。
なんか今日はやけに聞き分けがいいな。
そう納得してしまったことを数時間後に後悔するほどシュウが私に執着していただなんて、この時は誰も思っていなかった。
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ソルト(新アカVer)(プロフ) - わらび@修行中さん» ありがとうございます! (1月7日 20時) (レス) id: 8a1efc3bda (このIDを非表示/違反報告)
わらび@修行中(プロフ) - ソルト(新アカVer)さん» コメント、リクエストありがとうございます!初書きになるので少しお時間頂くかもしれませんが、精一杯書かせて頂きます〜! (1月7日 19時) (レス) id: fb962cb273 (このIDを非表示/違反報告)
ソルト(新アカVer)(プロフ) - コメント失礼します 好きです Olv 崇拝 同業者(できればライバーで 無理なら 教職系) をリクエストすることは可能でしょうか?負担になるようでしたら、削除していただいて構いません (1月7日 17時) (レス) id: 8a1efc3bda (このIDを非表示/違反報告)
わらび@修行中(プロフ) - いえいえ大丈夫ですよ!占ツクはIDを見れば分かりますからね〜!お気になさらず!w (2023年4月3日 22時) (レス) id: fb962cb273 (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - わらび@修行中さん» あwすみません名前違った... (2023年4月3日 22時) (レス) @page4 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび | 作成日時:2022年9月13日 18時