【ヘタリア】少女と国達の短編集*５*

欲張りな呪い（米）　黒 ページ8

豪奢な棺の前で娘が泣いていた。

どうやら彼女の愛する人が死んでしまったらしい

こんな場面に偶然出くわしても、優しい王子様なら手を差し伸べるのが当然だろ？

「やあ、そんなに泣いてどうしたんだい」

悲しいの。そう一言だけ言ってまた泣き出した

「んもう…また泣き出した。ほら、こっちおいで」

細い手を取り優しく抱きしめた

可哀想に。君は、愛した人が死んでしまう呪いにかかっているんだね。



…嗚呼、なんて不幸なお姫様。この悲劇の主演がつとまるのは君だけ









「みて、アルフレッド様、綺麗でしょう」

「…うん、綺麗だね」

「ねぇ！この後お茶しませんか？」

「うん、いいよ」

Aとは一緒にお茶をするまでになった。




あーあ、
せっかく此処まできたのに君は…何故次を探すんだい？
いつまでたっても満たされないでさ

この呪いは、君が欲張ったが為に掛けられた呪いだということを知らないなんて…

「クスッ」

仲良さげに話す「二人」を陰から見つめ微笑んだ
地位、名声、富、容姿と

全て手に入れた俺は、どうやら、一番欲しい物だけ手に入らない呪いにかかったらしい









────────


…ねぇ、君には、呪いがかかっていたよね。とても不幸な呪いが。…一体、誰がやっていたと思う？

これで何人目だろうか、血に染まり倒れる男を見て頬を緩ます。
墓地に置かれる棺の数も多すぎて、一体誰が誰なんだい？

別に、誰がやっているとかそういう訳では無い。


だって、「呪い」なんだから









豪奢な棺の前でAが泣いていた。また男が死んだようだ。

「どうしたんだい」

また「偶然」その場に居合わせた俺は、泣きじゃくるAに声を掛けた

「また、また…死んじゃった…」

その呪いのせいだと言い、優しく抱き寄せ慰めた

本当に幸せなお姫様だ…こんなにも俺に愛されているなんて

クリスマスと帽子 (英) 激甘 ※英領海賊ソルねこさんリク→←イカサマ　（ふわほわコンビ）　黒　※ユティカさんリク

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