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…だが、それもまた目の前の彼の声に掻き消された。
「なぁ、お前」
『……』
「俺の事、愛してンのかよ」
と。
決してふざけてる様子も
からかってる様子もなく
ただただ真剣にそう、聞いてきた。
意外にも簡単に。
私はそれに答える資格があるのだろうか。
今までずっと爆豪を騙してきたのに、
本当は爆豪の敵だったのに。
だけど爆豪はそんな私の気持ちを見透かしているかのように言葉を続けた。
「余計な事は考えなくていい。今、思った事言え」
…ずるいなぁ、爆豪は。
どこのイケメンだよ。
そんな風に言われたら、黙ってる事も。嘘つく事も出来ない。
そして私は、グルグルと回っていた考えを全て止めて。
爆豪に言われた通り。
余計な考えは全て無視して。
『そうみたい』
と、静かに頷いて笑って見せる。
そうだ、私は。
私は爆豪が、
その瞬間
『っ、』
どこか甘さを含む爆豪の匂いに包まれて、
体が痺れたような感覚に包まれる。
静かな空間で、爆豪の鼓動が耳に伝う。
今まで感じた事のないくらいの安心感に、
不思議と涙が溢れ出すから
必死に声を出さないように
バレないように
隠そうとする。けれど。
「…泣くんじゃねぇよ」
『…ふふ、バレたかぁ』
「ったりめーだ」
爆豪には全部お見通しみたい。
私は抱き締められている腕の中から彼を見上げて、服をギュッと握る。
伝えよう
ちゃんと
言葉で
口に出して
私の声で
ちゃんと。
『ねぇ、』
「…あ？」
『爆豪、アイシテル』
小さな声だが、ちゃんと爆豪に届くように言った。
心の底から、思った事を。
溢れ出すようなこの気持ちを。
「おう」
『え、っ、』
「……」
『ちょ、』
「…黙っとけ」
『んっ、』
そして、突然降ってきた不意打ちのキスを避ける事なんて…
というか避けるとか、そんなの一瞬も思わず。
私も大人しく唇を重ねる。
何度も、何度も。
そして数秒後。
味わった事のないくらいの優しいキスの後、
「俺も、アイシテル」
爆豪からの愛の言葉に、
堪らず彼の胸にまた飛び込んだ。
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まあり(プロフ) - レイさん» 鬼灯様の方も読んでくださっていたのですか！いやぁぁ、嬉しいお言葉ばかり…お気に入りだなんて嬉しすぎます！読んでくださりありがとうございました！よろしければ今後ともよろしくお願いします！ (2020年11月19日 21時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 私は普段超長編の作品を好んで読んでいるため、作者さんの作品は少し短く感じてしまいましたが、どちらもこれから何度か読み返しにくるだろうな、と思うくらいお気に入りの作品になりました!いつか続きが見れることを少しだけ期待して…笑 これからも頑張ってください！ (2020年11月19日 20時) (レス) id: 6aeabccc62 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!!鬼灯様の方を先に見つけ読んだのですが、どちらの作品も物語の続きのような、ストーリーの一部を見ているような気持ちでした！(続きます) (2020年11月19日 20時) (レス) id: 6aeabccc62 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 桜さん» わーっ！嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年11月8日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
桜 - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年11月8日 15時) (レス) id: a3e07da17b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2020年11月3日 21時
