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『バットエンドじゃなくて良かった』
「…ん?バットエンド嫌い?」
『うん、モヤモヤするから』
「そっか」
そしてそのままエンディングが流れ、下から上に文字が流れていく。その場面を見ながら私は口を開く。
『次何みようか』
「うーん、じゃあ今度はアクション系とか?」
『いいね、そうしよ』
時間はたっぷりある。今日は映画三昧だ、と二人で楽しみにしていたのだ。
私と付き合い始めてから角名も映画に興味を持ち始めてくれたらしくてたまにお互いにおすすめを教え合っているほど。
まあ私のごり押しでみてもらう方が多いけど。
「んー…」
『ん?どうしたの?』
さっきの映画が完全に終わって次の映画を探す為に画面に集中してれば隣から聞こえた声に首を傾げて角名をみる。
「唇乾燥してて痛い、ヒリヒリする」
『え、それは痛い』
眉を潜めて指先で自分の唇に触れるから私はすぐそこにあったポーチから新しいリップクリームを出す。
『これで良ければ使う?まだ使ってないからあげるよ』
ついこの前リップなくしちゃって買ってあったんだよね。ストックもあるし良かった、とそれを角名に差し出す。が。
「うーん…」と唸る角名にもう一度首を傾げる。
どうしたのだろう。リップ嫌いだった?
『あ、安心して、無香料だよ』
確かに、匂いが嫌いな人もいる。男の子なら特にそうかもしれない。…そう思ったのが、違ったらしい。横へ首を振られる。
「ん、違くて…リップは要らないから、代わりに、」
『え』
「キスしよ」
『すっ…、』
何を急に、とすぐ目の前の彼の名前を呼ぼうとするがもう遅く。
気付いた時にもう唇は重なっていて。
しかもちゅ、ちゅ、と何度も啄むように降ってくるキスに思わず角名の服をぎゅっと掴めば嬉しそうに目が細められたのが一瞬だけ見えた。
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しゅな - すなくんが大好きなのでとても嬉しくてきゅんとしました!!!この作品のおかげで悩みが吹っ飛びました!!初コメ失礼致しました!作者様尊敬します!!! (4月21日 22時) (レス) @page4 id: 231c051d6b (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ポンコツさん» 読み直しにきてくれたのですか!?ありがとうございます…!まだ分かりませんがいつかまたハイキュー書けたら良いなと思っているのでその時にはぜひまた読みに来てください☺️応援ありがとうございます!! (2022年10月20日 9時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
ポンコツ(プロフ) - 以前読みましたが久々に読み直してました!まありさんが書くキャラクターの性格?雰囲気?がすごく好きです!もし今後気が向いたら私推しの影山、牛島、木兎を書いてほしいです(´°ω°`)それ以外でも今後何か更新されたら見にきます!これからも頑張って下さい☆! (2022年10月16日 19時) (レス) @page50 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 妃嶺さん» そんなに楽しんでいただけたのなら良かったです( ; ; )!わーっ!!ありがとうございます!これからもキュンさせられるように頑張りますー! (2021年12月12日 1時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
妃嶺 - 最後まで読まさせていただきました!最初から最後までキュンキュンして、現実であれば最高なのにな〜って、気づけばお話の中に入り込んでました!他のお話も読まさせていただきます。これからも頑張ってください! (2021年12月11日 12時) (レス) @page50 id: e817c59b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年11月12日 21時